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国立がん研究センターの大腸がんの本

『国立がん研究センターの大腸がんの本』書評

監修:金光幸秀、朴 成和、斎藤 豊 
出版社:小学館クリエイティブ
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国立がん研究センターによる、がんの種類別に解説する本が2018年6月に5冊同時に発売されました。「胃がん」、「大腸がん」、「乳がん」、「肺がん」、「肝・胆・膵がん」の5冊がありますが、今回は大腸がんがテーマの本を紹介します。

早期発見とさまざまな治療法

大腸がんは、早期発見であればほとんど治癒できます。にもかかわらず、2017年がん統計予測では、大腸がんの罹患数予測は14万9500人と、すべてのがんの中で最も多い数値となっています。また、死亡者数予測も5万3000人と、がんの中で第2位です。これは、食習慣の変化なども背景にありますが、検診率の低さ(50%以下)が指摘されています。

そこで本書では、まず第1章を「大腸がんが疑われたら」と題して、大腸がん検診から、内視鏡検査などの精密検査の種類、ステージ分類などが解説されています。また、大腸がんと間違えやすい病気として、血便や出血がある痔、潰瘍性大腸炎、クローン病などがあるといいます。自分ではなかなか区別が難しいため、血便などがあったら医療機関を受診してほしいとのことです。

第2章は「大腸がんの治療」として、現在行われているさまざまな治療法が紹介されています。浸潤していない早期がんなら内視鏡手術が、浸潤した進行がんでは腹腔鏡手術や開腹手術が行われます。さらに、手術後の再発防止や手術ができない場合には化学療法(抗がん剤療法)が、手術前や後には放射線療法が行われることがあります。なお、内視鏡手術ひとつをとっても、がんを切除する方法はポリペクトミー、EMR、ESDと3種類あります。また、ロボット支援下直腸手術(ダビンチ手術システム)も2018年4月から保険適用となり、国立がん研究センター中央病院では行われています。
このように、治療法には多くの種類がありますが、それぞれの特徴やメリット、デメリットなどがイラストを交えながらわかりやすく書かれています。副作用や合併症も書かれているので、事前に知っておけば、副作用などが出たときにも対処することができるでしょう。

大腸がん手術後のこと

第3章は「大腸がん手術後の注意」、第4章は「大腸がんの再発・転移」と、手術後に注意することが書かれています。例えば、直腸がんの手術で肛門を切除したときの人工肛門の使い方、障害者手帳を申請できるなどのアドバイスがあります。

退院後の食事にも触れています。大腸がん手術の退院後では特別な食事制限はありませんが、下痢を引き起こしやすい食物繊維は控えめにして、ビタミンやミネラルが豊富な食品を意識して摂取するのがよいとのことです。食事については退院後のレシピ本が多く出版されているので、医師や管理栄養士が監修しているものを選んで参考にするのがよいと思います。

なお、第5章の「心のケアと療養のこと」では「信頼できる情報を集める」という項目があります。インターネットでは多くの情報があふれていますが、がんと診断された後では客観的に、冷静に情報の信頼性を評価するのは難しい場合があります。まずは担当医や看護師、あるいはがん相談支援センターの相談員やソーシャルワーカーに相談してほしいとしています。本書は、国立がん研究センターの医師が監修したものであり、信頼性は非常に高いものとなっています。大腸がんの早期発見から治療、退院後の生活まで、必要な知識を正しくカバーできる一冊となっています。

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