• Medister
  • コラム
  • 書評

あのひとがガンになったら – 「通院治療」時代のつながり方

『あのひとがガンになったら – 「通院治療」時代のつながり方』書評

著者:桜井 なおみ
出版社: 中央公論新社
書籍プレゼントに申し込む 書籍の購入

2人に1人ががんになる現在では、家族や友人、会社の同僚ががんになったという経験をもつ人は多いと思います。その人たちとは、どのように接すればよいのでしょうか。本書は、乳がんを経験した著者が「知り合いががんになった人」に向けて書かれたものです。

患者さんとの接し方を関係別に紹介


副題にもあるように、がんを治療するときの入院期間は短くなっており、代わりに通院期間が長くなっています。つまり、家族や友人、そして会社との関係を保ちながらがんの治療を続ける時代になっています。患者さん本人だけでなく、患者さんと接する周囲の人がどうコミュニケーションをとっていくのがよいのかという「社会環境」のあり方が注目されています。

例えば、手術などで入院した人が退院したとき、周囲の人は思わず「治ってよかったね」と声をかけてしまうかもしれません。しかし実際には、長い通院治療のスタート地点に立ったに過ぎず、「治ってよかった」とは程遠いのが実際です。

では、どのように接すればよいのでしょうか。本書では第2章で、家族、友人、職場の仲間に分け、それぞれの接し方の例を紹介しています。家族の場合では、がんを「家族の病気」「みんなの病気」ととらえ、家族みんなで患者さんの負担を軽くするように力を合わせてほしいと訴えます。単に近くにいる、寄り添うだけでも患者さんは安心するとも言います。

友人ががんになったときには、「治療には直接参加できませんが、その人の人生や生活には参加できます」と述べ、気持ちを省略しないで自分の思いを率直に伝えてほしいと言います。患者さんにとって一番辛いのは孤独になることです。直接会うのは難しくても、メールなどのやりとりを続けたり、先になってもいいから会う約束を作ったりすると、患者さんも前向きになれるようです。

そして職場では、患者さんがどう働きたいのかということについて、密にコミュニケーションをとることが必要であると述べます。仕事量の調整や異動にしても、上司が一方的に決めつけるのではなく、お互いに話し合いを重ねて合意することが大切になります。また、辛そうなときには「ちゃんと眠れている?」というように答えやすい質問をするのもコツのひとつだそうです。

がんをきっかけに「休み方改革」を


第4章の「がんと会社」では、今後ますます増えるであろう「がんを治療しながら働く」ということについて、会社としてできること、やるべきことについて述べています。

そのひとつに、復職後1年以上経ってからの離職が34%もいるというアンケート結果があります。著者は「この1年以上経ってからの離職こそ、企業側の配慮で防げるもの」と考えています。なぜなら、傷病手当金制度は1年6ヶ月までであり、ときに5年以上も続く通院治療の実情に合っていないからであると推測しています。これに代わって、時間単位や日単位で分割できる休暇制度のほうが実態に即しており、離職予防に効果的であると訴えています。

他にも、中小企業の経営者や自営業の人、非正規雇用の人に向けたことも書かれています。「働き方改革」が頻繁に言われていますが、著者は従業員のがん罹患をきっかけに「休み方改革」にも取り組んでほしいと述べています。

本書は、がんになった人と接する周囲の人々、つまりあらゆる人に読んでいただきたい一冊です。

書籍プレゼント

がん治療.comでは、今回紹介した書籍を抽選で3名様に無料でプレゼントします。
下記の募集概要をご確認のうえ、ご応募ください。
応募頂いた方には、今後メールマガジンなどのご案内をさせて頂く場合がございます。

【応募資格】
・日本国内在住で郵便・宅配便の受け取り、またメールや電話での商品の発送についてご連絡可能な方。

【当選者発表と賞品送付】
・当選は賞品の発送をもって発表に代えさせていただきます。
当落についてのお問い合わせにはお答えできかねます。
賞品の発送は2018年6月上旬を予定しています。
・当選権利の第三者への譲渡・転売、送付先の変更はできません。

【応募締め切り】
・2018年5月31日

【お申込方法】
以下から、お問い合わせ内容の欄に、ご希望の書籍をご記入の上、応募ください。
お問い合わせURL: http://www.ganchiryo.com/form/

【プレゼント応募に関する個人情報について】
GH株式会社(以下当社といいます)は、
本プレゼントの応募を通じてお客様からご提供いただきました個人情報を、
本プレゼントの運営とメールマガジンなどのサイトからのご案内以外の目的で使用することはありません。

当社が本プレゼントを通じて得る個人情報は、お客様のご了承をいただかない限り、
第三者に開示することは一切ありません。
ただし、当社が事前に秘密保持契約を締結した当社の関連会社または業務委託先等に発送に必要な情報を開示する場合があります。

また、法令等により開示を求められた場合、人の生命および身体または財産などの重大な利益を保護するために緊急を要する場合には、お客様にお断りすることなく情報開示することがあります。

書籍プレゼントに申し込む >書籍の購入

戦国武将とがん

書評

がんの種類