更新日:2026/09/28
再発・難治の多発性骨髄腫に、二重特異性抗体テクベイリとダラキューロの併用が国内承認――第3相MajesTEC-3試験で無増悪生存が大きく延長
再発した、または治療が効きにくい多発性骨髄腫を対象に、テクリスタマブ(テクベイリ)とダラツムマブの皮下注射薬(ダラキューロ)を組み合わせる治療が2026年9月16日に国内で承認された※1※2。テクベイリはこれまで「標準的な治療が困難な場合に限る」条件付きの効能だったが、今回の承認の効能・効果にはこの限定がない※1※2。
発表のポイント
• 2026年9月16日、テクベイリに「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の新しい効能と用量が追加された。希少疾病用医薬品である※1
• 根拠は、それまでの治療が1〜3種類の患者さん587人が参加した第3相MajesTEC-3試験※3
• 3年時点で進行せずに過ごせていた人の割合は83.4%対29.7%だった※3
概要
多発性骨髄腫は、形質細胞ががん化して骨髄腫細胞になり、主に骨髄で増える病気である※4。
テクリスタマブは、T細胞(免疫細胞)の表面にあるCD3と、骨髄腫細胞の表面にあるBCMAの両方を標的にする「二重特異性抗体」である。ダラツムマブは、骨髄腫細胞のCD38というたんぱく質を狙う抗体薬である※3。
MajesTEC-3試験では、この2剤の併用と、ダラツムマブ+デキサメタゾンにポマリドミドまたはボルテゾミブを加える従来型の治療を比べた※3。追跡期間の中央値は34.5か月。進行または死亡のリスクは併用群で83%低かった(ハザード比0.17)。完全奏効(検査でがんが確認できない状態)以上に達した人は81.8%対32.1%、ごく微量の残存がんも検出されない状態(MRD陰性)は58.4%対17.1%だった※3。企業の発表では、3年時点の生存率も83.3%対65.0%と報告されている※2。
一方、重い有害事象は併用群70.7%、従来型群62.4%で、有害事象による死亡は7.1%対5.9%と、いずれも併用群が多かった※3。
この記事の読者にとっての意味
対象になりうるのは、多発性骨髄腫が再発した、または治療が効きにくくなった患者さんである※1。試験に参加したのは、それまでの治療が1〜3種類の人だった※3。
今すぐ使えるか:国内で承認された治療である※1。これまで「標準的な治療が困難な場合に限る」とされていたテクベイリが、より早い段階の再発でも候補に入りうる※2※3。ただし重い有害事象は従来型の治療より多い※3。
主治医に確認するとすれば:「自分の治療歴で候補になるか」「これまでダラツムマブを使ったことが影響するか」「重い副作用が出たときの対応や通院・入院の体制」といった点が論点になりうる。
複数の薬を組み合わせる治療の考え方はこちら:併用療法とは
副作用への備えはこちら:がん治療の副作用と合併症
(Medister編集部 2026年9月28日)
本記事は2026年9月28日時点の公的機関の情報および原著論文をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。
記載の数値は臨床試験に参加した集団の値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。
参考資料
- 医薬品医療機器総合機構「承認品目一覧(新医薬品)」(2026年9月16日承認分は掲載PDFに収載)(最終確認日: 2026年9月28日)
- Johnson & Johnson「テクベイリ皮下注、ダラキューロ配合皮下注との併用療法の承認」(2026年9月16日)(最終確認日: 2026年9月28日)
- Costa LJ, et al. N Engl J Med. 2026;394(8):739-752(MajesTEC-3). DOI: 10.1056/NEJMoa2514663, PMID: 41363801(最終確認日: 2026年9月28日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス「多発性骨髄腫」(最終確認日: 2026年9月28日)


















