更新日:2026/09/27
BRAF遺伝子異常のある低悪性度神経膠腫に飲み薬トボラフェニブ(オジェンダ)が国内承認――子どもに多い脳腫瘍、条件付き承認
BRAF遺伝子に変異または融合がある低悪性度神経膠腫を対象に、飲み薬の分子標的薬トボラフェニブ(オジェンダ)が2026年9月16日に国内で承認された※1※2。低悪性度神経膠腫は子どもの脳腫瘍で最も多いタイプとされる※2。承認は「条件付き承認」で、根拠は再発または治療が効きにくくなった小児の患者さんを対象とする海外の第2相試験である※1※3。
発表のポイント
• 2026年9月16日、トボラフェニブが「BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫」を対象に承認された。条件付き承認で、希少疾病用医薬品に指定されている※1
• 週1回飲む薬で、錠剤のほか、錠剤を飲みにくい小さな子ども向けのドライシロップもある※2
• 使う対象かどうかを調べる遺伝子検査として、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルが承認されている※4
概要
低悪性度神経膠腫は進行が比較的ゆっくりだが、再発や進行によって治療を何度か受けることがある。できた場所によっては、視力や発達、ホルモンの働きに影響が出ることもある※2。子どもの低悪性度神経膠腫では、BRAFという遺伝子の変異や、ほかの遺伝子とつながる「融合」が、腫瘍を増やす主な原因として最も多く見つかる※3。
トボラフェニブは、BRAFを含むRAFというたんぱく質の働きを抑える薬で、脳の中にも届くように作られている※3。
承認の根拠となったFIREFLY-1試験では、BRAFに異常があり、再発または治療が効きにくくなった小児の低悪性度神経膠腫の患者さん77人が薬を飲んだ。腫瘍が一定以上縮小した人の割合(奏効率)は、第三者の判定で67%だった。縮小が続いた期間の中央値は16.6か月である※3。全員がトボラフェニブを使う試験で、ほかの治療と直接比べたものではない※3。
薬を飲んだ137人でみた主な副作用は、髪の色の変化(76%)、CKという筋肉由来の酵素の上昇(56%)、貧血(49%)だった。重い副作用(グレード3以上)は42%にみられ、7%が副作用で服薬をやめている※3。成長の遅れも主な副作用として挙げられている※2。
この記事の読者にとっての意味
対象になるのは、低悪性度神経膠腫で、BRAF遺伝子の変異または融合が確認された患者さんである※1。お子さんが治療中のご家族にとって、関係の深いニュースといえる。
今すぐ使えるか:国内で承認された薬である※1。ただし、承認は条件付きで、根拠は比較対照のない第2相試験である※1※3。使うにはBRAFの異常を遺伝子検査で確かめる必要がある※4。
主治医に確認するとすれば:「腫瘍のBRAF遺伝子を調べたことがあるか、これから調べられるか」「今の治療の状況で候補になるか」「成長や髪の色の変化など、子どもの生活への影響」といった点が論点になりうる。
脳腫瘍の基本的な情報はこちら:脳腫瘍
遺伝子を調べる検査についてはこちら:がん遺伝子パネル検査とは?
(Medister編集部 2026年9月27日)
本記事は2026年9月27日時点の公的機関の情報および原著論文をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。
記載の数値は臨床試験に参加した集団の値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。
参考資料
- 医薬品医療機器総合機構「2026年度承認品目一覧(新医薬品)」2026年9月分(最終確認日: 2026年9月27日)
- IPSEN株式会社「オジェンダ(トボラフェニブ)が日本における製造販売承認を取得」(2026年9月16日)(最終確認日: 2026年9月27日)
- Kilburn LB, et al. Nat Med. 2024;30(1):207-217(FIREFLY-1). DOI: 10.1038/s41591-023-02668-y, PMID: 37978284(最終確認日: 2026年9月27日)
- 中外製薬「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル、BRAF V600変異及びBRAF融合遺伝子陽性の神経膠腫に対するトボラフェニブのコンパニオン診断として承認を取得」(2026年9月16日)(最終確認日: 2026年9月27日)


















