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更新日:2026/09/27

再発・転移のある上咽頭がんに免疫チェックポイント阻害薬チスレリズマブ(テビムブラ)併用が国内承認――条件付き承認、使用者は全例登録の調査へ

再発した、または遠くの臓器に転移した上咽頭がんに対し、免疫チェックポイント阻害薬チスレリズマブ(テビムブラ)を抗がん剤2剤(ゲムシタビン・シスプラチン)と組み合わせる治療が、2026年9月16日に国内で承認された※1※2。承認は「条件付き承認」で、承認の条件として、実際の診療で使った患者さん全員を登録して効果と安全性を調べる調査が行われる※2※3。根拠はアジアで行われた第3相試験「RATIONALE-309」である※4※5。

発表のポイント

• 2026年9月16日、チスレリズマブの対象に「再発又は遠隔転移を有する上咽頭癌」が加わった。条件付き承認で、希少疾病用医薬品に指定されている※1※2
• 263人の第3相試験で、病気が進行するまでの期間の中央値は、併用群9.6か月、抗がん剤2剤のみの群7.4か月だった※5
• 生存期間の中央値は45.3か月と31.8か月だったが、統計的に差があるとまでは言えない結果だった※5

概要

上咽頭がんは、上咽頭にできる頭頸部がんの一つで、EBウイルスや喫煙・飲酒が発生に関わるとされる※6。放射線治療が治療の中心で、遠隔転移がある場合は薬物療法を行うかどうかを検討する※7。

チスレリズマブは、PD-1という分子を標的とする抗体の薬(免疫チェックポイント阻害薬)で、点滴で投与する。国内ではこれまで、食道がんと胃がんで承認されていた※2。

RATIONALE-309試験は、再発または転移があり、全身の薬物療法をまだ受けていない上咽頭がんの患者さん263人を対象にした。チスレリズマブまたは偽薬(プラセボ)を、ゲムシタビン・シスプラチンと併用して比べている※4※5。最初の解析で、病気の進行または死亡のリスクは併用群で約半分だった(ハザード比0.52)。この効果は、PD-L1という目印の量にかかわらずみられた※4。

約3年の追跡を加えた報告でも、進行までの期間の延長は続いていた(ハザード比0.53)※5。生存期間のハザード比は0.73だったが、95%信頼区間が1をまたいでおり、偶然の差である可能性を否定できない※5。なお、偽薬群では病気が進んだあとにチスレリズマブへ切り替えることが認められていた※5。

免疫の働きによる副作用は併用群53.4%、偽薬群37.7%と併用群で多かったが、多くは軽度から中等度(グレード1〜2)だった。副作用全体でみると、重い副作用(グレード3以上)の割合は両群で同程度だった※5。

この記事の読者にとっての意味

対象になるのは、再発した、または遠隔転移がある上咽頭がんの患者さんである※2。試験に参加したのは、この状態になってから全身の薬物療法を受けていない人だった※5。

今すぐ使えるか:国内で承認された治療である※1。ただし、根拠の試験はアジアの海外施設で行われたものである※2※5。承認の条件として実際の診療での効果と安全性を確かめる調査が行われ、使う患者さんは全員登録される。登録期間は2031年9月までの予定である※3。

主治医に確認するとすれば:「自分の病状と治療歴で対象になるか」「免疫の働きによる副作用にどう備えるか」「全例調査への登録で何が必要になるか」といった点が論点になりうる。

免疫チェックポイント阻害薬の基本はこちら:免疫チェックポイント阻害剤
治療の副作用への備えについてはこちら:がん治療の副作用と合併症

(Medister編集部 2026年9月27日)

本記事は2026年9月27日時点の公的機関の情報および原著論文をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。

記載の数値は臨床試験に参加した集団の値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。

参考資料

  1. 医薬品医療機器総合機構「2026年度承認品目一覧(新医薬品)」2026年9月分(最終確認日: 2026年9月27日)
  2. ビーワン・メディシンズ合同会社「テビムブラ 効能又は効果、用法及び用量及び使用上の注意改訂のお知らせ」(2026年9月)(最終確認日: 2026年9月27日)
  3. ビーワン・メディシンズ合同会社「テビムブラ特定使用成績調査(再発又は遠隔転移を有する上咽頭癌)開始のご案内」(2026年9月)(最終確認日: 2026年9月27日)
  4. Yang Y, et al. Cancer Cell. 2023;41(6):1061-1072(RATIONALE-309). DOI: 10.1016/j.ccell.2023.04.014, PMID: 37207654(最終確認日: 2026年9月27日)
  5. Yang Y, et al. JAMA Oncol. 2026;12(4):384-393(RATIONALE-309 3年追跡). DOI: 10.1001/jamaoncol.2026.0020, PMID: 41746630(最終確認日: 2026年9月27日)
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん について」(2025年12月22日更新)(最終確認日: 2026年9月27日)
  7. 国立がん研究センター がん情報サービス「上咽頭がん 治療」(2025年12月22日更新)(最終確認日: 2026年9月27日)

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