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更新日:2026/09/26

再発・難治の濾胞性リンパ腫、エプコリタマブ(エプキンリ)とR2療法の併用が国内承認――化学療法を使わず投与期間は最大約1年

再発した、または治療が効きにくくなった濾胞性リンパ腫の患者さんに対し、二重特異性抗体と呼ばれる薬エプコリタマブ(エプキンリ)を、リツキシマブ・レナリドミドの2剤(R2療法)と組み合わせて使う治療が、2026年9月16日に国内で承認された※1。細胞障害性の抗がん剤を使わず、投与期間を最大12サイクル(約1年)と区切るのが特徴である。承認の根拠となった国際共同第3相試験「EPCORE FL-1」では、R2療法だけの場合に比べて病気が進行するまでの期間が延びた※2。

発表のポイント

• 2026年9月16日、エプコリタマブについて、再発または難治性の濾胞性リンパ腫(Grade 1〜3A)でR2療法と併用する使い方が承認事項に加わった※1
• 488人を対象とした第3相試験で、病気の進行または死亡のリスクがR2療法単独より約8割低かった(ハザード比0.21)。日本人28人も参加している※1※2
• 重い副作用(グレード3以上)は併用群90%、R2療法群68%と併用群で多かった。報告は予定された中間解析で、試験は継続中である※2

概要

濾胞性リンパ腫は、Bリンパ球ががん化する悪性リンパ腫の一つで、年単位でゆっくり進むことが多いタイプ(インドレントリンパ腫)である。途中から急速に進むタイプに変わる場合もある※3。治療には薬物療法や放射線治療などがあり、無治療で経過をみることもある※3。

エプコリタマブは、免疫細胞(T細胞)の目印であるCD3と、B細胞の目印であるCD20の両方に結合するよう設計された抗体で、T細胞をリンパ腫細胞に引き寄せて攻撃させる仕組みをもつ※1。皮下注射で投与する。国内では、これまでも再発・難治の大細胞型B細胞リンパ腫などに承認されていた※1。

EPCORE FL-1試験は、化学療法と抗体薬による治療を1回以上受けたあとに再発した、または効きにくくなった濾胞性リンパ腫の患者さんを、エプコリタマブ+R2療法の群(243人)とR2療法の群(245人)に分けて比べた。30か国189施設が参加した※2。論文では、R2療法はこの患者さんたちにとって確立した標準治療の一つと位置づけられている※2。

追跡期間の中央値14.8か月の時点で、治療でがんが縮小または消失した人の割合(奏効率)は併用群95%、R2療法群79%だった。16か月時点で病気が進行していない人の割合は、推定で85.5%と40.2%だった※2。主な副作用は好中球減少症(26.0%)とサイトカイン放出症候群(24.4%)で※1、後者は免疫の働きが急に強まることで起こる副作用である。論文では、サイトカイン放出症候群はいずれもグレード1〜2にとどまり、全員回復したと報告されている※2。

この記事の読者にとっての意味

対象になるのは、濾胞性リンパ腫(Grade 1〜3A)で、これまでに全身の治療を1回以上受け、その後に再発した、または治療が効きにくくなった患者さんである※1。

今すぐ使えるか:国内で承認された治療であり、臨床試験に参加しなくても候補になりうる段階にある。ただし、添付文書の注意事項として、臨床試験に参加した患者さんの前治療歴などを踏まえて対象を選ぶよう求められている※1。副作用はR2療法単独より多く、また今回の報告の時点では、生存期間が延びるかどうかは示されていない※2。

主治医に確認するとすれば:「自分の前治療歴で対象になるか」「R2療法単独や他の治療と比べた利点と負担」「サイトカイン放出症候群や好中球減少への備え、通院・入院の頻度」といった点が論点になりうる。

悪性リンパ腫の基本的な情報はこちら:悪性リンパ腫
治療の副作用への備えについてはこちら:がん治療の副作用と合併症

(Medister編集部 2026年9月26日)

本記事は2026年9月26日時点の公的機関の情報および診療ガイドラインをもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。

記載の数値は集団を対象とした統計値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。

参考資料

  1. ジェンマブ株式会社「二重特異性抗体エプキンリの再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に対するリツキシマブとレナリドミド(R2)との併用に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得」(2026年9月16日)(最終確認日: 2026年9月26日)
  2. Falchi L, et al. Lancet. 2026;407(10524):161-173(EPCORE FL-1). DOI: 10.1016/S0140-6736(25)02360-8, PMID: 41371238(最終確認日: 2026年9月26日)
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「濾胞性リンパ腫」(2023年12月6日更新)(最終確認日: 2026年9月26日)

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