google+
はてなブックマーク
LINE
  • Medister
  • コラム
  • 書評
  • 医療系企業・特集
がん治療.com おすすめコンテンツ
心理状態の遷移
告知をされてから、がん患者の心理はどのように遷移するのか?
ストレス解消法
がん治療は大きなストレスとなりますが、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
医師との付き合い方
がん治療するうえで、医師と上手に付き合っていくには?
  • がん治療.com コンテンツ一覧
  • がん治療.com 用語集

更新日:2026/09/17

gBRCA変異陽性・HER2陰性早期乳がんの術後オラパリブ、追跡6年で全生存率87.5%——OlympiA試験の長期追跡結果

生殖細胞系列BRCA遺伝子変異(gBRCA変異)陽性かつHER2陰性の再発高リスク早期乳がんに対し、手術後にオラパリブ(リムパーザ)を1年間投与した長期成績が報告された。第3相OlympiA試験の追跡期間中央値6.1年時点の更新解析結果が、2024年12月のSABCS(サンアントニオ乳がんシンポジウム)で発表され、2026年8月に学術誌 Annals of Oncology に掲載された(DOI: 10.1016/j.annonc.2026.08.002)。日本ではこの試験結果に基づき2022年8月24日に術後薬物療法の適応として承認されており、保険適用済みの治療である※1※3。

発表のポイント

• 追跡期間中央値6.1年の時点で、オラパリブ群の6年全生存率は87.5%(プラセボ群83.2%)、ハザード比0.72(95%CI 0.56–0.93)で死亡リスク約28%の低下が長期にわたり持続した※1※2
• 浸潤性疾患のない生存率(IDFS)はオラパリブ群79.6% vs プラセボ群70.3%(HR 0.65、95%CI 0.53–0.78)、遠隔転移のない生存率(DDFS)は83.5% vs 75.7%(HR 0.65、95%CI 0.53–0.81)※1※2
• 国内では同試験に基づき2022年8月24日に承認済み。gBRCA変異陽性・HER2陰性で再発高リスクの早期乳がん患者が対象となる※3

概要

OlympiA試験は、手術と化学療法(術前または術後)を完了したgBRCA変異陽性・HER2陰性の再発高リスク早期乳がん患者を対象にした無作為化二重盲検プラセボ対照の第3相試験で、各群約900例が登録されている。オラパリブまたはプラセボを1年間経口投与し、その後の再発・生存に与える影響を検証した※1。

オラパリブは「PARP阻害薬」と呼ばれる種類の薬剤で、BRCA遺伝子に変異があるがん細胞のDNA修復を阻害することで細胞死を引き起こす作用機序を持つ。gBRCA変異とは生殖細胞系列(親から受け継ぐ遺伝子)に生じた変異を指し、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と関連する※1※3。

追跡期間中央値6.1年時点の更新解析では、全生存率(OS)でオラパリブ群87.5% vs プラセボ群83.2%(ハザード比0.72、95%信頼区間0.56–0.93)と、死亡リスクの低下が長期にわたり持続することが確認された。主要エンドポイントである浸潤性疾患のない生存率(IDFS)はオラパリブ群79.6% vs プラセボ群70.3%(HR 0.65、95%CI 0.53–0.78)、遠隔転移のない生存率(DDFS)は83.5% vs 75.7%(HR 0.65、95%CI 0.53–0.81)であった※1※2。

この記事の読者にとっての意味

この治療の対象となるのは、BRCA遺伝子検査で「生殖細胞系列BRCA1またはBRCA2変異陽性」と確認され、かつHER2陰性で再発リスクが高いと判断された早期乳がんの患者さんです。手術と化学療法を完了した後の術後補助療法として使用されます。

今すぐ使える治療です(保険適用済み)。国内では2022年8月24日に承認されており、対象となる条件を満たせば保険診療の範囲で受けられます※3。ただし、BRCA遺伝子検査の保険適用の詳細な条件や検査手続きについては、主治医または遺伝カウンセラーへの確認が必要です。

主治医に確認するとすれば、たとえば「自分のBRCA変異の状態と術後補助療法の適応に当たるか」「化学療法後の投与開始タイミングや投与期間」「想定される副作用と経過観察の方針」といった点が論点になるでしょう。治療の選択は主治医と相談のうえで行ってください。

乳がん全般の情報は乳がん、がんの遺伝(遺伝性腫瘍・家族性腫瘍)についてはがんの遺伝(遺伝性腫瘍・家族性腫瘍)でも解説しています。

(Medister編集部 2026年9月17日)

本記事は2026年9月17日時点の公的機関の情報および診療ガイドラインをもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。

記載の生存率は集団を対象とした統計値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。

参考資料

  1. アストラゼネカ(グローバル)「Lynparza demonstrated clinically meaningful, prolonged survival benefit in early breast cancer in OlympiA Phase III trial」(最終確認日: 2026年9月17日)
  2. Garber JE, et al.「Sustained benefit of adjuvant olaparib in women with germline BRCA1- and BRCA2-associated high-risk HER2-negative early breast cancer: Updated results from the OlympiA phase III trial」Ann Oncol. 2026 Aug 24. DOI: 10.1016/j.annonc.2026.08.002 PMID: 42636977(最終確認日: 2026年9月17日)
  3. アストラゼネカ(日本)「アストラゼネカのリムパーザ、BRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法として適応拡大」(最終確認日: 2026年9月17日)

ページの上部へ戻る

がんの種類アクセスランキング

ページの先頭へ

医療系企業・特集

戦国武将とがん

書評

がんの種類