更新日:2026/09/16
再発リスクが高い腎細胞がんの術後ペムブロリズマブ、5年後も再発・死亡リスクの低下を維持――KEYNOTE-564試験の長期追跡
手術で腎臓のがんを取り除いた後、再発リスクが高い淡明細胞型腎細胞がん(腎細胞がんで最も多い組織型)を対象に、術後補助療法としてペムブロリズマブ(キイトルーダ)を約1年間使う治療の5年追跡データが、2026年8月26日に医学誌『Annals of Oncology』に発表された※1。手術後にペムブロリズマブを続けることで、再発・死亡のリスク低下が5年時点でも維持されていることが示された。日本ではこの術後補助療法が2022年8月24日に承認されており、保険診療として受けられる※2。
発表のポイント
• 5年無病生存率はペムブロリズマブ群 60.9%、プラセボ群 52.2%(ハザード比 0.71、95%信頼区間 0.59–0.86)※1
• 5年全生存率はペムブロリズマブ群 87.7%、プラセボ群 82.3%(ハザード比 0.66、95%信頼区間 0.48–0.90)で、再発を抑えるだけでなく生存の面でも優位性を確認※1
• 追跡期間の中央値は70カ月(約5.8年)に延長したが、新たな安全性の懸念は認められなかった※1
概要
KEYNOTE-564試験は、腎摘除術(または腎摘除術と転移巣切除術)を受けた、再発リスクが高い淡明細胞型腎細胞がんの患者994例を対象とした国際共同第III相試験(無作為化二重盲検比較試験)である※1。日本人59例が含まれる※2。「淡明細胞型」とは、腎細胞がんの中で最も多い組織型を指す。
参加者はペムブロリズマブ群(496例)とプラセボ群(498例)に1対1で割り付けられ、手術後にペムブロリズマブ200mgまたはプラセボを3週ごと、最長17サイクル(約1年間)投与された※1。主要評価項目は「無病生存期間(DFS)」で、これは手術後にがんの再発または死亡が起きるまでの期間を指し、術後補助療法の効果を測る指標として使われる。
今回は、あらかじめ計画された4回目の中間解析にあたり、最短5年の追跡を経た結果である。2024年9月25日のデータカットオフ時点で、追跡期間の中央値は70カ月だった。5年無病生存率はペムブロリズマブ群 60.9%(プラセボ群 52.2%)、ハザード比 0.71(95%信頼区間 0.59–0.86)、5年全生存率はペムブロリズマブ群 87.7%(プラセボ群 82.3%)、ハザード比 0.66(95%信頼区間 0.48–0.90)だった※1。無病生存・全生存の優位性は主要な患者集団で一貫していた。研究者らは、これらの結果が再発リスクの高い淡明細胞型腎細胞がんに対する術後補助療法としてのペムブロリズマブの使用を支持すると結論づけている※1。
この記事の読者にとっての意味
この試験の対象となったのは、腎臓のがんを手術で取り除いた後の、再発リスクが高い淡明細胞型腎細胞がんの患者さんである。ペムブロリズマブ(キイトルーダ)を使った術後補助療法は日本で2022年8月24日に承認済みであり(※2)、現在は保険診療として受けられる。今回の5年データは「すでに承認されている治療の長期成績が確認された」という位置づけのニュースであり、新しい治療法の登場を伝えるものではない。
主治医に確認するとよい論点としては、たとえば次のような点が考えられる。自分のがんの組織型(淡明細胞型かどうか)や再発リスクの分類がこの術後補助療法の対象に当てはまるか、約1年間にわたる投与のスケジュールや負担をどう考えるか、免疫チェックポイント阻害薬に特有の副作用(免疫関連有害事象)への備えをどうするか——といった内容について、主治医や担当チームと話し合うことが考えられる。診療の選択はあくまで主治医と患者さんが一緒に行うものであり、この記事は一般的な情報提供を目的としている。
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(Medister編集部 2026年9月16日)
本記事は2026年9月16日時点の公的機関の情報および診療ガイドラインをもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。
記載の生存率は集団を対象とした統計値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。
参考資料
- Haas NB, et al.「Adjuvant pembrolizumab for the treatment of clear cell renal cell carcinoma: Five-year results from the phase III KEYNOTE-564 study」Ann Oncol. 2026 Aug 26. DOI: 10.1016/j.annonc.2026.08.006. PMID: 42648402(最終確認日: 2026年9月16日)
- MSD株式会社「抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤『キイトルーダ®』、腎細胞癌に対する初めての術後補助療法としての承認を取得」(最終確認日: 2026年9月16日)


















