更新日:2026/09/12
切除可能な早期肺がんへの周術期ペムブロリズマブ、5年後も生存優位を維持——KEYNOTE-671試験の長期追跡
手術で取り除ける早期の非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第III相試験「KEYNOTE-671」の5年追跡データが、2026年8月21日に医学誌『Annals of Oncology』に発表された※1。術前の化学療法にペムブロリズマブ(キイトルーダ)を組み合わせ、手術後も継続する「周術期免疫療法」が、無イベント生存率・全生存率の両面で5年後も優位性を維持していることが示された。日本ではこの療法がすでに2024年8月28日に承認を取得しており、保険診療として受けられる※2。
発表のポイント
• 5年無イベント生存率はペムブロリズマブ群 49.9%、プラセボ群 26.5%(ハザード比 0.58)とほぼ2倍の開き※1
• 5年全生存率はペムブロリズマブ群 64.6%、プラセボ群 53.6%(ハザード比 0.74)でも有意な優位性を確認※1
• 追跡延長後もペムブロリズマブ群で健康関連QOLの悪化は認められず、安全性は既知のプロファイルと一致※1
概要
KEYNOTE-671試験は、切除可能なステージII(2期)〜IIIB(3B期)[N2]の非小細胞肺がん患者797例を対象とした国際共同第III相試験(無作為化比較試験)である※1。国立がん研究センター東病院の坪井正博氏や神奈川県立がんセンターの加藤徹氏ら日本の研究者も共著に名を連ねている。
「無イベント生存(EFS)」とは、がんの再発・進行または死亡のいずれかが起きるまでの期間を指す指標で、術後の転帰を包括的に評価するために使われる。試験ではペムブロリズマブ群(397例)とプラセボ群(400例)に1対1で割り付けた。ペムブロリズマブ群は術前に「ペムブロリズマブ200mg 3週ごと4サイクル+プラチナ製剤を含む化学療法」を受けた後に手術を行い、術後はペムブロリズマブを最大13サイクル継続した。プラセボ群は同じ化学療法にプラセボを組み合わせた構成である。
2025年7月3日のデータカットオフ時点で、追跡期間中央値は60.4カ月(約5年)に達した。5年の無イベント生存率はペムブロリズマブ群 49.9%(95%信頼区間 44.6–55.0)に対しプラセボ群 26.5%(95%信頼区間 21.7–31.5)、ハザード比 0.58(95%信頼区間 0.48–0.69)だった※1。5年全生存率はペムブロリズマブ群 64.6%(95%信頼区間 59.5–69.2)に対しプラセボ群 53.6%(95%信頼区間 48.3–58.6)、ハザード比 0.74(95%信頼区間 0.59–0.92)だった※1。研究者らは「切除可能な早期NSCLCの標準治療としての使用を支持する」と結論づけている※1。
この記事の読者にとっての意味
この試験の対象となったのは、手術で完全に取り除けると判断されたステージII(2期)・IIIA(3A期)・IIIB[N2](3B期)の非小細胞肺がん患者さんで、これから手術や周術期治療の方針を決める段階にある方に関係する。ペムブロリズマブ(キイトルーダ)を使った周術期療法は日本で2024年8月28日に承認済みであり(※2)、現在は保険診療として受けることができる。今回の5年データは「承認済みの治療の長期成績が確認された」という位置づけのニュースである。
主治医に確認するとよい論点としては、たとえば次のような点が考えられる。自分の病期や全身状態がこの周術期療法の対象に当てはまるか、術前から免疫療法を開始することで手術への影響や副作用がどう変わるか、免疫チェックポイント阻害薬に特有の副作用(免疫関連有害事象)への備えをどうするか——といった内容について、主治医や担当チームと話し合うことが大切である。診療の選択はあくまで主治医と患者さんが一緒に行うものであり、この記事は一般的な情報提供が目的である。
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(Medister編集部 2026年9月12日)
本記事は2026年9月12日時点の公的機関の情報および診療ガイドラインをもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。治療の選択にあたっては、必ず主治医にご相談ください。
記載の生存率は集団を対象とした統計値であり、個々の患者さんの見通しを示すものではありません。
参考資料
- Wakelee H, et al.「Five-Year Outcomes of Perioperative Pembrolizumab for Early-Stage Non-Small-Cell Lung Cancer From the Randomized KEYNOTE-671 Study」Ann Oncol. 2026 Aug 21. DOI: 10.1016/j.annonc.2026.08.005. PMID: 42628840(最終確認日: 2026年9月12日)
- MSD株式会社「抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤『キイトルーダ®』非小細胞肺癌における術前・術後補助療法の適応を取得」(最終確認日: 2026年9月12日)


















