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更新日:2022/05/13

局所進行子宮頸がんに対するイミフィンジと化学放射線療法の同時併用療法を検証した、第Ⅲ相CALLA試験の最新情報

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、第Ⅲ相CALLA試験の結果を発表した。本試験では、局所進行子宮頸がんの患者の治療において、アストラゼネカのイミフィンジ(デュルバルマブ)と化学放射線療法(CRT)の同時併用療法を評価したが、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長について、単独療法としてのCRTとの比較で統計学的に有意な差は認められなかった。

子宮頸がんは世界で8番目に患者数が多く、毎年約600,000人が診断されている。また、9番目に致死率の高いがんである。子宮頸がん患者の約40~50%は、局所進行期に診断される。現行の標準治療である白金製剤ベースの化学放射線療法を受けても、局所進行子宮頸がん患者の約40%に再発の可能性があり、5年生存率は約65~70%にとどまっている。子宮頸がん患者に対する標準治療は、この20年間変わっていない。

CALLA試験は、無作為化二重盲検国際多施設共同第Ⅲ相試験である。本試験では、局所進行子宮頸がん患者770人が、標準治療であるCRTと、最大24サイクルまたは病勢進行まで4週間ごとに1500mgの固定用量のイミフィンジまたはプラセボのいずれかとの併用療法を受けた。試験は、米国、欧州、中南米、アフリカ、アジアなど15カ国120施設で実施された。

がん免疫療法(IO)は、ヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチである。アストラゼネカにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫反応の回避を克服するよう設計された免疫治療によって支えられている。アストラゼネカでは、がん種を問わず、より多くのがん患者の長期的な生存に貢献するべく、IOに基づく治療アプローチに投資をしている。

また、イミフィンジの単剤療法およびトレメリムマブやその他新規抗体薬との併用療法に対しては、様々ながん種、病期、治療ラインにおいて、また必要に応じて患者にとって最善となる治療の方向性を定義する決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを用いる場面において、包括的な臨床試験プログラムが進行中である。

アメリカ産科婦人科学会フェローおよびアメリカ外科学会フェローであり、アリゾナ大学医学部教授で、第Ⅲ相CALLA試験の治験責任医師であるBradley Monk氏は次のように述べている。「今回の結果は統計学的に有意ではなかったものの、新たな治療選択肢のさらなる評価の必要性を裏付けています。また、局所進行子宮頸がん患者さんの治療を改善する今後の方策に向けた情報源となります」

また、アストラゼネカのエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&Dの責任者であるSusan Galbraithは次のように述べている。「CALLA試験では、既存の治療を行っても多くの患者さんで病状が進行してしまう深刻で複雑な疾患である局所進行子宮頸がんを対象に、新しい免疫療法による治療アプローチを検証しました。試験結果は私たちの期待通りではありませんでしたが、試験からの知見により、多くのがん種においてイミフィンジのベネフィットを評価している広範な臨床開発プログラム全体における免疫療法に対する私たちの理解と応用が進むでしょう」

CALLA試験において両群の安全性および忍容性プロファイルは一貫しており、予期せぬ新たな安全性に関する知見は得られなかった。CALLA試験のデータは、今後の医学学会で発表される予定である。
(Medister 2022年5月9日 中立元樹)

<参考資料>
アストラゼネカ株式会社プレスリリース 局所進行子宮頸がんに対するイミフィンジと化学放射線療法の同時併用療法を検証した、第Ⅲ相CALLA試験の最新情報

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