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更新日:2022/02/05

化学療法薬に対する薬剤耐性のメカニズムを解明

庄内地域産業振興センターと慶應義塾大学先端生命科学研究所(以下先端研)および国立がん研究センターとの共同研究において、国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点の牧野嶋秀樹チームリーダーらが、化学療法薬の一つであるペメトレキセド(製品名:アリムタ)に耐性のある悪性胸膜細胞株を樹立し、その薬剤耐性機構のメカニズムを明らかにした。

国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点がんメタボロミクス研究室は、国立がん研究センターのがんのメタボローム研究分野の研究拠点として、 山形県鶴岡市に2017年4月に設置された。鶴岡連携研究拠点では、学校法人慶應義塾と連携し、慶應義塾大学先端生命科学研究所が有するメタボローム解析を活用した、がんの診断薬などの開発等に向けた研究を実施している。また企業との共同研究をより積極的に推進することにより、がん代謝の分子基盤に基づいた新しい診断・治療法開発を進めている。

ペメトレキセドは葉酸代謝拮抗薬の一種で、がん細胞内の核酸の生合成を阻害する薬剤である。ペメトレキセド耐性細胞では、薬剤の標的酵素の過剰発現が誘導されており、遺伝子発現解析及び先端研の持つメタボローム解析技術により、薬剤耐性を誘導する原因遺伝子の同定につながった。

悪性胸膜中皮腫とは、公害の一因となっているアスベスト(石綿)を主な原因とする中皮腫の一種で、アスベストへの暴露から約40年の潜伏期間を経て、肺を覆う胸膜に発症する悪性腫瘍である。現在、有効な治療方法がなく、新たな治療方法の開発が望まれている。日本国内ではアスベストの悪性胸膜中皮腫による死亡者数が増加傾向にあり、アスベストの完全製造・使用禁止が2012年であることから、今後も同様の水準で推移することが予想される。近年では、2018年8月に新たな免疫治療薬として「オプジーボ(一般名:ニボルマブ)」が認可され、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっている。

本研究成果は、悪性胸膜中皮腫における治療に有用な代謝バイオマーカーの探索や薬剤耐性機構の更なる解明に繋がることが期待される。
(Medister 2021年12月13日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 化学療法薬に対する薬剤耐性のメカニズムを解明

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