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更新日:2021/09/24

かかりつけ精神科での個別の検診勧奨で、統合失調症患者の大腸がん検診受診率が大きく改善

岡山大学病院精神科神経科の藤原雅樹助教と山田了士教授ら、国立がん研究センター島津太一室長ら、島根大学の稲垣正俊教授らの共同研究グループは、かかりつけ精神科医療機関の外来で行う個別のがん検診勧奨法が、市町村によるがん検診の案内のみと比べて、統合失調症患者の大腸がん検診受診率を向上させることを確認した。統合失調症患者に対するがん検診勧奨法の有効性を調べた研究はこれまでになく、世界でも初めての成果となる。

本研究結果は、8月3日(火曜日)午前9時(日本時間)、国際医学誌「Acta Psychiatrica Scandinavica」のオンライン版に掲載された。

精神障害を有する患者は一般住民と比べてがん検診受診率が低く、その格差の解消は世界的な課題である。わが国において精神障害を有する患者は419.3万人を数えるが、現在行われている一般的ながん検診の勧奨方法では、がん検診受診率に格差が生じたままであることが分かっている。また、この格差は統合失調症患者で特に大きいことが知られている。しかしながら、統合失調症患者のがん検診受診率を向上させるための勧奨法として有効性が確認された方法はこれまでになかった。

今回の研究では、精神科外来へ通院中の統合失調症の患者を、通院先の外来スタッフが大腸がん検診の説明や個別に応じた受診手続きの説明・支援を実施した群(85人)と、市町村からのがん検診の案内のみを受けた群(85人)に分け、勧奨法の効果を検証する臨床試験を実施した。実施した年度における大腸がん検診の受診率を比較したところ、市町村からの案内のみを受けた群は11.8%に留まったのに対して、個別の勧奨を実施した群では47.1%となり、有意に大腸がん検診を受診する人が多くなることが示された。

本研究の勧奨法(実装戦略)は、実装科学の手法で開発されたものである。科学的に有効性が示された勧奨法が普及することで、精神障害を有する患者のがん検診受診の格差解消が期待される。
(Medister 2021年9月6日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース かかりつけ精神科での個別の検診勧奨で、統合失調症患者さんの大腸がん検診受診率が大きく改善 精神障害を有する患者さんでのがん検診受診率の格差解消に期待

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