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更新日:2021/09/04

「橋渡し研究推進センター」を開設

国立研究開発法人国立がん研究センター(以下国立がん研究センター)は「橋渡し研究推進センター(CPOT:Center for Promotion of Translational Research)」を2021年7月1日に開設した。

医療分野や生命科学分野での研究開発の加速により、がんをはじめとする疾患メカニズムの解明や新たな診断・治療技術の開発、AIやビッグデータ等の利活用による創薬・医療機器開発、個人の状態に合わせた個別化医療・精密医療の進展が見込まれている。日本発の革新的な医療開発を支えるためには、基礎から実用化までの一貫した研究開発体制の整備が求められている。これまで国立がん研究センターでは各部局において、活発な橋渡し研究を実施してきた。

研究所では、ゲノム解析など最新の技術を駆使した研究から治療・診断法のシーズを作り出すとともに、基盤的臨床開発研究コアセンター(FIOC)においてバイオリソース(患者由来がんモデル)の開発や橋渡し研究に必要な各種解析、動物実験などを支援している。また中央病院とともにTsukiji TR Boardを設け、橋渡し研究実施体制を構築している。先端医療開発センター(EPOC)は、創薬シーズ研究およびバイオマーカー探索から新しい診断・検査法開発へと、基礎研究から臨床研究への橋渡しを行っている。また研究企画推進部門に専門の室を設け、橋渡し研究の支援を行っている。

中央病院、東病院はともに臨床研究中核病院の承認を受け、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う病院として整備が進められ、臨床開発において国内トップの実績をあげている。東病院NEXT医療機器開発センターでは臨床と開発の現場が密接した環境を生かし医療機器開発を行っている。2019年には国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「次世代医療機器連携拠点整備等事業」に採択され、研究支援の専門人材を集めている。

また臨床開発には、国内や海外の専門機関、開発企業等とのネットワークが不可欠である。東病院を中心に全国の200以上の医療機関と製薬企業等が参加する産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクト「SCRUM-Japan」を基盤に数多くの治験が実施され、治療薬・診断薬の承認につなげるとともに、データを国際的に共有する基盤が構築されている。中央病院では希少がんの産学共同プロジェクト「MASTER KEYプロジェクト」、AMED国際共同臨床研究実施推進拠点として、「アジアがん臨床試験ネットワーク事業(ATLASプロジェクト)」等を実施している。

国立がん研究センター内に加えて大学等の基礎的な研究成果や、ベンチャー企業等の萌芽的な技術に基づくシーズを国内外から発掘する。加えて、臨床開発に発展させるために必要な非臨床試験の専門的な助言を行うなどの支援機能を行い、中央病院、東病院で実施する臨床試験への展開を強化する。また医師、臨床研究者に加え、看護部門等の広範な医療従事者の臨床経験に基づくニーズを収集・分析し、シーズとのマッチングを推進する。そのため、各部局においてシーズ開発支援を実践している下記のメンバーでチームを形成し、橋渡し研究推進センター長の責任下で研究支援業務の標準化や情報共有を図る。

また、高度な臨床試験を支援する東病院、中央病院の臨床研究支援部門や知的財産・産学連携等の担当部局とも緊密に連携する。これらによってセンター内外のシーズ保有者に対するワンストップサービスを提供する。また、シーズ開発に関わる国内外の大学等の研究機関や企業等との連携も積極的に推進し、理学・工学・薬学など幅広い分野の専門家が参画したシーズ開発と研究支援に関する専門人材育成のための拠点形成を目指す方針である。
(Medister 2021年8月23日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 「橋渡し研究推進センター」を開設 基礎研究シーズと医療の現場のニーズを結びつけ、革新的ながんの診断・治療・予防開発をサポート

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