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更新日:2020/06/01

日本人の胃がんリスクとなる遺伝的背景と生活習慣 ―人種横断的大規模胃がんゲノム解析の成果―

東京大学先端科学技術研究センターゲノムサイエンス部門の鈴木章浩指導委託大学院生(研究当時)、油谷浩幸教授及び大学院医学系研究科衛生学分野の加藤洋人准教授、石川俊平教授らの研究グループは、人体病理学・病理診断学分野の牛久哲男教授、深山正久教授(研究当時)、消化管外科学の瀬戸泰之教授、横浜市立大学外科治療学の利野靖診療教授、肝胆膵消化器病学の中島淳教授、国立がん研究センターの柴田龍弘がんゲノミクス分野長らのグループとともに、319人のアジア人、212人の非アジア人を併せた531症例の胃がん患者を対象とした大規模なゲノム解析を行い、体細胞ゲノム変異のパターン、胚細胞バリアント、生活習慣およびそれらの関連性について調べた。

胃がんは、日本をはじめ東アジアで最も頻度の高い悪性腫瘍である。がんゲノムシーケンスの進歩によって、胃がんのドライバーとなる体細胞ゲノム変異についてはその全体像が明らかになってきた。胃がん発生リスクについてはピロリ菌がよく知られているが、ヒト側の遺伝的素因やそれらと環境因子との関わりについて、その全体像は明らかになっていなかった。

共同研究の結果、アルコールによって引き起こされるとされる特徴的なゲノム変異のパターン(変異シグネチャ)が見られる症例がアジア人に特異的に認められ、日本人の胃がんに限った解析では、6.6%(16/243)に認められた。それらの胃がん症例は、東アジア人に特有のALDH2遺伝子多型(アルコールの分解が出来ない遺伝子型)を持ち、飲酒および喫煙の両者が重なった時に相乗的に変異の数が増えることを特徴としていた。また胃がんの素因となる胚細胞レアバリアントを探索したところ、624個のがん関連遺伝子のなかでE-カドへリン遺伝子上のバリアント密度が最も高いことが分った。これらのレアバリアントを保有する患者の胃がんは大部分がびまん型胃がんであり、びまん型胃がん症例のうち13.3%(14/105)を占めていた。

東アジア地域特有のALDH2遺伝子多型と飲酒・喫煙習慣との組み合わせ、およびE-カドへリンの病的胚細胞バリアントの集合が、日本における胃がんの原因の一部として強く示唆されることが明らかになった。特にびまん型胃がん症例の21.0%(22/105)は上記のどちらかの寄与があるという結果であった。今回の成果は、胃がんのハイリスク群を遺伝的素因によって絞り込み、生活習慣の改善や対象を絞った効果的なスクリーニングによって予防介入するための重要な知見と考えられる。
(Medister 2020年6月1日 中立元樹)

<参考資料>
国立研究開発法人日本医療研究開発機構プレスリリース 日本人の胃がんリスクとなる遺伝的背景と生活習慣 ―人種横断的大規模胃がんゲノム解析の成果―

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