更新日:2019/11/25
ノバルティス、患者申出療養に基づく研究者主導臨床研究への薬剤提供に関する契約を国立がん研究センターと締結
ノバルティス ファーマ株式会社は、2019年9月25日付で、国立研究開発法人国立がん研究センターと、患者申出療養に基づく研究者主導臨床試験に関する契約を締結した。これによりノバルティスは、国立がん研究センター中央病院が開始する臨床研究「遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく複数の分子標的治療に関する患者申出療養」臨床研究(以下、本研究)において、遺伝子異常を有することが判明したものの、その適応において承認された治療薬がない患者を対象に、患者申出療養制度に基づいて対応する薬剤の提供を検討することとなった。
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人である。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いている。ノバルティスは世界で約10万5千人の社員を擁しており、7億5千万人以上の患者に製品が届けられている。
近年、がんの性質・状態を示すバイオマーカー(遺伝子変異や蛋白発現等)を特定し、関与する分子を治療標的とする「がんゲノム医療」の研究が進み、2019年には次世代シークエンシング(NGS)技術を用いた複数の遺伝子検査システムが承認され、保険適用となった。患者ごとに適した治療法を選択できるようになった一方で、希少がんや希少な遺伝子変異を有するがんでは、遺伝子変異が特定されているにもかかわらず、承認された薬剤がないために、治療を受けられない患者が多く存在する。このような患者に対し、ノバルティスでは世界規模で医療関係者、患者団体、当局、支払者、製薬会社やその他のステークホルダーと協力し、患者が必要とする医療とソリューションの提供に努めている。
ノバルティス オンコロジー ジャパンのプレジデントであるブライアン・グラッツデンは、「患者さんの健康と安全は、ノバルティスの最優先事項です。国立がん研究センターの患者療養申出に基づく本研究への薬剤提供を通して、承認された治療選択肢のない患者さんに貢献できることを嬉しく思います。今後もノバルティスはがん治療の変革のため、邁進してまいります」とコメントし、今回の契約に期待の意を表している。
(Medister 2019年11月25日 中立元樹)
<参考資料>
ノバルティス ファーマ株式会社プレスリリース ノバルティス、患者申出療養に基づく研究者主導臨床研究への薬剤提供に関する契約を国立がん研究センターと締結