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更新日:2019/11/24

悪性黒色腫と血管肉腫を対象としたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治験開始

株式会社CICS(以下「CICS」)とステラファーマ株式会社(以下「ステラファーマ」)は、悪性黒色腫と血管肉腫を対象に、CICSが開発したリチウムターゲットを用いた加速器中性子捕捉治療装置「CICS-1」及びステラファーマが開発したホウ素中性子捕捉療法(以下「BNCT」)用ホウ素薬剤「SPM-011」を用いたBNCTの第I相臨床試験(以下「本試験」)を、本年11月より国立研究開発法人国立がん研究センター(以下「国立がん研究センター」)中央病院(以下「中央病院」)において開始する。

BNCT(Boron Neutron Capture Therapy)は、がんの放射線治療の一種であり、ホウ素(10B)の中性子捕獲による核反応10B(n,α)7Li を利用する。がん細胞に特異的に取り込まれるホウ素(10B)化合物を投与することで、がん細胞内にホウ素(10B)を選択的に取り込ませ、体外からエネルギーの低い中性子を照射する。このとき、ホウ素(10B)原子核が中性子を捕獲して核反応10B(n,α)7Liを起こし、α線とLi原子核が放出される。これらの粒子の飛程はそれぞれ約9 mm及び約4 mmと短く、細胞1個分の大きさに相当する。これらの飛程により、それぞれが持っている全エネルギーをがん細胞内において失うため、周囲の正常細胞に影響を与えることなくがん細胞を選択的に死滅させることができる。

本試験の対象は皮膚がんの一種である悪性黒色腫と血管肉腫の患者である。病理組織学的に診断され、皮膚原発でありリンパ節転移や遠隔転移がない患者が本試験の対象となる。

悪性黒色腫及び血管肉腫の治療は、症状や進行の程度に応じて、外科的手術、薬物治療、放射線治療などが行われる。一般的に優先されるのは外科的手術によってがんを切除する方法であるが、広範囲の切除は患者の大きな負担となるため、現在でもより治療効果を高め、副作用を軽減して患者の負担を少なくする治療法を確立するための研究が行われている。

CICSは、国立がん研究センターと共同研究契約を締結し、2014年の中央病院診療棟の完成とともに加速器型の中性子捕捉治療装置を導入してこれまで非臨床試験を行ってきた。本試験は、加速器中性子捕捉治療装置「CICS-1」とホウ素薬剤「SPM-011」を用いたBNCTの安全性及び忍容性を検討することを目的としているという。
(Medister 2019年11月24日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センタープレスリリース 悪性黒色腫と血管肉腫を対象としたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治験開始

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