更新日:2017/07/10
たばこ陳列販売について国民意識アンケート調査報告書公開
国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)がん対策情報センターたばこ政策支援部は、たばこの陳列販売について国民意識アンケート調査を行い、その報告書をまとめ、同センターたばこ政策支援部が運営するウェブサイトで5月31日に公開した。
2016年6月に厚生労働省がん対策推進協議会により取りまとめられた『がん対策推進基本計画中間報告書』において、「がんによる死亡者の減少」数値目標である75歳未満の年齢調整死亡率の20%減少の達成が困難であり、その大きな要因の一つとして、喫煙率半減の水準に到達していないことが指摘されている。また、「がん対策加速化プラン」(2015年12月)において、喫煙率を下げるため、「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(WHO Framework Convention on Tobacco Control、以下FCTC)や海外のたばこ対策の状況を踏まえつつ、必要な対策を検討する」と記載されている。このように、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図る上で、喫煙率を減少させるための取り組みは不可欠となっている。
今回の調査の概要は、まずインターネット・アンケート調査形式で行い、成人 2000名と未成年者400名を対象とした。調査項目は、「身のまわりのたばこについて」、「たばこ製品に手を出さないための対策について」、「自動販売機の設置禁止について」、「陳列販売の禁止について」、「たばこ販売の取りやめについて」の5項目である。
調査結果を見ると、まず成人、未成年者ともに、たばこは身近にあり、コンビニエンス・ストアや自動販売機でたばこを目にすることも多い事が分かった。次に、たばこ規制枠組条約のガイドラインで推奨する自動販売機の禁止措置については、成人全体の82%が支持しており、わが国でもたばこ自動販売機の設置を禁止することにも、成人全体の68%が評価していた。また、たばこの陳列販売を禁止することに、成人全体の55%が評価していたが、喫煙者と非喫煙者では賛否の認識が分かれていた。さらに、学校や幼稚園、通学路沿い、駅前など、未成年者が多く利用する店ではたばこの販売を禁止することについては、成人全体の68%、未成年者の8割近くが評価していた。
今回の調査結果を、国がんでは世界レベルのたばこ対策を目指し、5月31日の世界禁煙デーに合わせて公開したという。
(Medister 2017年7月10日 中立元樹)
<参考資料>
国立がん研究センター たばこ陳列販売について国民意識アンケート調査報告書公開