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更新日:2016/07/06

日本のがん罹患数・率の最新全国推計値公表

国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターを中心とする厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録データの全国集計と既存がん統計の資料の活用によるがん及びがん診療動向把握の研究」研究班は、「地域がん登録」データを活用し2012年に新たにがんと診断された罹患数・率として算出した全国推計値を、冊子に編集・公表した。

「地域がん登録」は、都道府県のがん対策を目的に1950年代より一部の県で開始され、研究班が各地域がん登録からデータを収集する活動を開始して以降、年々参加都道府県が増加し、2010年は30県、2011年は40県、そして今回初めて47全都道府県の登録データが揃ったという。とりわけ、埼玉県、東京都、福岡県が初参加し、宮城県及び大阪府が復帰したことにより、都市部のがん罹患が明らかになるとともに、全県での比較が可能となった。また、精度基準においても全都道府県で国内精度基準を満たし、28県では国際精度基準も達成した。

集計の結果、まず2012年の1年間にがんと診断された症例の推計数は、男503,970人、 女361,268人 男女計 865,238人 (前年比+1.4万人)であった。次に、人口10万対の年齢調整罹患率は、男447.8人、 女305.0人、 男女計 365.6人(前年比-0.2人)と増加に歯止めが掛かり一部減少していた。また、部位別に罹患数を見ると、男性は胃、大腸、肺、前立腺、肝の順で多く、女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順であった。前立腺がんの増加が頭打ちになり、大腸がんが増加することで男性での順位が変動していた。さらに、県間比較の結果、昨年同様、胃がん、肝がん、肺がん等で、罹患リスクの高い地域の偏りを確認すると共に、同程度の罹患率でも死亡率が高い地域、低い地域があることが分かった。

研究班では、今回、全都道府県のデータが揃ったことから全国推計値と合わせ、実測値による単純合計値も算出したが、大きな差は見られなかった。この結果は、がん登録の精度がほぼ安定し、届出に協力する病院の増加によるみかけの症例数増加が一段落したと理解でき、ようやく、真のがんの罹患の増減、地域差を観察できる統計値が整備できたものと評価される。
(Medister 2016年7月4日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 日本のがん罹患数・率の最新全国推計値公表 2012年がん罹患数86.5万人 東京も初参加、全都道府県データ初収集

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