更新日:2020/12/22
厚生労働省が「がん対策加速化プラン」をとりまとめ 働く世代のがん死減少を目指す
さらに、「抗がん剤などによる副作用や後遺症の治療ガイドラインの整備」や、「患者への就労支援」に対しても重点的な施策を施し、仕事と治療の両立を進めること、患者個人の遺伝子の情報に基づく「より効果的な診断および治療法の開発」に力を入れること、禁煙治療への保険適用を拡大することなどが明示されている。
厚生労働省は、こうした具体的な施策を実施することで、2005年には人口10万人当たり92.4人だったがん死亡率を、20%削減することを目標としていた。
今回の方針の決定には、いくつかの背景がある。
まず、がんは日本人の死因で最も多く、2人に1人が罹患するといわれているにも関わらず、がん検診の受診率は、国の目標である50%には届かず、ほかの先進国に比べても低い水準にあり、早期発見・早期治療につながっていないといわれている。
また、2007年に施行された「がん対策基本法」に基づき策定された「がん対策推進基本計画」で、国は2017年までに「がんで死亡する75歳未満の人を20%減少させる」という目標を掲げていたが、実際には、2013年時点で未だ80.1であり、目標達成には程遠い数値となっていた。今年5月の時点では、がんで死亡する人は10年前に比べておよそ17%の減少にとどまることが、国立がん研究センターの推計で明らかになっていた。現状のままでは目標が達成できないことが明らかであり、今回、重点的な施策が検討された。
(Medister 2015年11月25日 葛西みゆき)
<参考資料>
厚生労働省 第55回 がん対策推進協議会(資料)参考資料2 がん対策推進基本計画(平成24年6月)
同上
参考資料3 がん研究10か年戦略(平成26年3月)
同上
参考資料4 がん対策推進基本計画中間評価報告書(平成27年6月)
改訂第4版 がん化学療法レジメンハンドブック〜治療現場で活かせる知識・注意点から服薬指導・副作用対策まで