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更新日:2020/12/22

東京都 がん患者の治療と仕事の両立への優良な取組を行う企業を初めて表彰

500px-PrefSymbol-Tokyo.svg2015年3月、東京都は癌患者の治療と仕事の両立に積極的な取り組みを行っている企業を表彰した。東京都福祉運営局が管理する「東京都がんポータルサイト」で公表している。
今回の表彰は、「東京都がん対策推進計画(第一次改定)」に基づいた、癌の治療と仕事の両立支援に関する施策の1つとして行われた。応募のあった13社のうち、「優良賞」となったのは総合建設業やサービス業などを含む8社であった。

それぞれの企業の具体的な取り組みも、事例紹介集(概要版)としてまとめられている。
いくつかの取り組みを見ると、社内制度として「治療休暇制度」を定めていたり、短時間勤務・在宅勤務などの体調や治療スケジュールに合わせた柔軟な働き方ができるような体制づくりが行われている。また、治療の状況に応じて、正社員から一時的に非正規社員となり、治療後に正社員へと復職できる制度を設けている企業もある。
今回、優秀賞となった企業に共通していることは、一部の関係部署だけではなく、経営陣や社内全体で「相談しやすい体制・環境づくり」を念頭に置き、全社的な取り組みを行っている点にあると思われる。

昨年、厚生労働省が公表した「がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会」の報告書によると、「企業において病名を伝えやすい、あるいは治療のための休暇を取得しやすい労働環境や企業風土形成が必ずしも十分ではない」「休暇制度、勤務制度の導入など、柔軟な 雇用管理の取組が十分に普及していない企業もある」などの課題が浮き彫りになっている。
そんな状況の中、企業独自で上記のような取り組みを行っている企業は注目されるであろう。癌治療が始まると、確かにそれまでとまったく同じ状況で働き続けることはできない。しかしある一定の期間を過ぎれば、企業にとって十分な働きをすることも可能となるし、患者本人もそれを望んでいる。
こういった取り組みが、今後さらに全国的にも拡大することを、切に願う。
(Medister 2015年4月8日 葛西みゆき)

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