小児がんとは|検査や治療、ステージなど

小児がんとは

小児がんとは乳幼児から15歳までにかかる悪性腫瘍の総称です。小児の人口10,000人に対して1人の割合で発症するといわれています。小児がんの原因はわかっていないことが大部分で、生活習慣が主な原因ではなく遺伝的要因が原因の一つとして考えられているため、予防をすることは難しいです。しかし、現在では、化学療法や外科療法、放射線治療などがん治療の進歩により、様々な治療を行えることになった結果、70~80%が治療に成功して、成人しております。

種類
小児がんの種類は成人とは異なり、白血病、脳腫瘍・脊髄腫瘍、神経芽細胞腫、リンパ腫、網膜芽細胞腫、悪性骨腫瘍(骨肉腫, ユーイング肉腫など)、腎臓の悪性腫瘍(ウィルムス腫瘍など)、結合組織・軟部組織の悪性腫瘍(横紋筋肉腫など)、肝臓の悪性腫瘍(肝芽腫など)、卵巣の悪性腫瘍(胚細胞腫瘍など)などがあります。その中でも、最も多い白血病が小児がんの約35%を占めて、脳腫瘍・脊髄腫瘍が約20%、神経芽細胞腫が約15%と続きます。

補助制度
小児がんの治療は長期間にわたることもあり、治療費の負担が大きくなることもありますが、医療費の自己負担分を補助する小児慢性疾患医療費助成制度を活用することができます。
小児慢性疾患医療費助成制度についてはこちら


小児がんの検査と診断

画像診断

CT検査
小児がんの場合、腫瘍のある部位や大きさ、広がり、転移の状況を把握するために造影剤を使用する場合が多いです。CTは頭部、肺、骨、内臓などの広範囲の情報を短時間で収集できる検査ですが、その一方で被ばくの問題があります。最近では、小児向けにCT撮影のX線の量を調整したり、装置を装飾している施設も増えています。

MRI検査
MRI検査はCTは違い、X線を利用しないので、被ばくの心配はありません。CTより画像も鮮明なこともメリットになります。
ただし、MRI はCTと違って、狭い空間の中で検査を行うため、心理的な負担がかかるデメリットがあります。また、CTは短時間での検査になりますが、MRIの撮影時間は長く、数十分から最大で1時間以上かかることもあります。撮影時に体が動くと、正確な画像撮影ができなくなり、CTと違ってMRIの撮影中は大きな音が出るため、子どもに対する検査では鎮静剤を使用して撮影する場合も多くあります。 

超音波検査
超音波検査は、CTとは違い、X線を利用しないので、MRIと同様に放射線被ばくがありません。心臓などの臓器でもリアルタイム画像の観察ができる、多少体が動いても検査ができる、造影剤を利用しない、検査の苦痛が少ないなどのメリットがあります。
ただし、検査をする者には知識と経験が必要であり、技量によって結果が左右されます。また、骨や空気により、脳や肺などの画像化ができないため、超音波だけですべての臓器を診断することはできません。 小児は成人と比べて体が小さいため、超音波検査に適しています。

核医学検査
放射性医薬品を注入して、一定の時間後、体から出てくる放射性を検出して、画像にする検査です。検査の種類によって、利用する放射性医薬品は異なります。検査用のベットで数十分横になっている間に検査が終わるので、子どもにとって苦痛のない検査ができるメリットがあります。ただし、放射性医薬品を注入するため、被ばくのデメリットがあります。

病理診断

小児がんの検査をする場合、診断のために病変組織を手術、腹腔鏡、穿刺針などによって採取して、調べます。採取した病変組織は病理検査室で、正確な診断のために、緻密な検査を行います。数日から数週間程度の検査で、がんの状態について詳細がわかります。



治療法

手術(外科療法)

<特徴>

がん病巣を手術で除去する療法で、原発巣だけでなく、他の部位に転移した転移巣も取り除きます。がんそのものを外科手術で除去する局所療法です。がんの治療法として最も基本的な治療法です。
手術(外科療法)の詳細についてはこちら

抗がん剤(化学療法)

<特徴>

化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。
抗がん剤(化学療法)の詳細についてはこちら

免疫細胞療法

<特徴>

身体の免疫を担う本人の細胞を体外で大量に数を増やし、機能を増強あるいは付加した上で体内に戻して行われる治療法です。上記の三大治療法に対して、近年注目されてきている、副作用がほとんど確認されていない先進的ながん治療法で、目に見えないがんや転移防止に有効な全身療法です。
がんに対する抗がん剤などの積極的な治療は行わず、症状などを和らげる治療に徹する
ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の選択肢の一つです。
免疫療法は副作用が少ないため、症状の緩和やQOLを高めることにつながります。
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放射線療法

<特徴>

腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。
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陽子線治療

<特徴>

通常のX線の放射線治療ではがん局部の周囲の正常な細胞も傷つけてしまいますが、陽子線治療はがん局部だけを照射して周囲の正常な 細胞が傷つくことをより抑えることができます。また、痛みもほとんどなく、1日15~30分程度のため、身体への負担が少ない治療です。1日1回、週 3~5回行い、合計4~40回程度繰り返します。
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重粒子線治療

<特徴>

陽子線治療と比べて、さらにがん局部を集中的に治療が可能となります。がん細胞の殺傷効果は陽子線治療の2~3倍大きくなります。 進行したがんは低酸素領域がありますが、このようながんでも治療が可能です。また、X線では治療が難しい深部にあるがんの治療も可能です。治療は1日1 回、週3~5回行い、合計1~40回程度繰り返します。平均では3週間程度の治療になります。1回当たり、15?30分の治療時間になります。
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