胃がん (がんの種類)
胃がんとは
胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すがんである。胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには何年もかかるといわれていて、大きくなるに従い、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜やさらにその外側まで広がり、近くにある大腸や膵臓にも広がっていく。がんがこのように広がることを浸潤という。
がん細胞は、リンパ液や血液の流れに乗って他の場所に移動し、そこで増殖することもある。これを転移という。最も多い胃がんの転移は、「リンパ節転移」で、リンパの関所のような「リンパ節」で増殖する。これは、早期がんでも起こることがある。また、進行がんの一部では、腹膜や肝臓にも転移がみられる。
特殊な胃がんとして、胃壁の中で広がって粘膜の表面には現れない「スキルス胃がん」がある。診断がついた時点で60%の患者さんに転移がみられる。
胃がんは進行の程度にかかわらず、症状が全くない場合もある。逆に早い段階から胃痛、胸焼け、黒い便がみられることもある。これらの症状は胃炎や胃潰瘍などにもみられる症状である。定期的な検診を受けることはもちろん、症状が続くときには早めに受診することが、胃がんの早期発見につながる。
診断や治療の進歩により、胃がんは治りやすいがんの1つといわれている。胃がんの治療は、胃がんの大きさや広がりなどによって細かく決められているが、進行した状況で発見された場合は、治療が難しいこともある。
胃がんにかかる人の傾向は40歳以降に顕著になる。胃がんにかかる人の数は高齢化のために全体数は横ばいだが、一昔前の同年代の人々に比べると、男女とも大きく減ってきている。がんで亡くなった人の数では、2004年時点で男性は第2位、女性は第1位となっているが、統計的にみると死亡率は減少してきている。
胃がんの検査と診断
胃がんが疑われるときには、胃の内視鏡検査やの胃Ⅹ線検査を行う。
胃がんの広がりを調べる検査としては、胸部X線、腹部超音波(エコー)、CT、直腸検査などを行うこともある。
胃Ⅹ線検査(バリウム検査)
バリウムを飲んで、X線で胃の形や粘膜(しわ)の状態を見る。途中で発泡剤を飲んで胃を膨らませる。
検査中はげっぷを我慢すること。
内視鏡検査
ファイバースコープで胃の内部を直接見て、がんが疑われる場所の広がりや深さを調べる検査。以前は胃カメラと呼ばれていた。がんが疑われる場所の組織の一部を採って、がん細胞の有無を調べる病理検査もする。
直腸検査
お尻からバリウムと空気を注入し、大腸の形をX線写真で確認する検査。胃のすぐ近くを通っている大腸にがんが広がっていないか、腹膜転移が生じていないかなどを調べる。検査中に大腸の中に空気が入ると、下腹部の張り感を強く感じることがある。
胃がんの腹膜転移とは、がんが胃の外側にこぼれ落ちて、肝臓、腸、膀胱、卵巣などを包んでいる腹膜(漿膜)に付いて増殖した状態。腹水がたまったり、腸が狭窄を起こすこともある。
胃がんの病期(ステージ)
病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいう。説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多い。病期には、ローマ数字が使われ、胃がんでは、Ⅰ期(ⅠA、ⅠB)、Ⅱ期、Ⅲ期(ⅢA、ⅢB)、Ⅳ期に分類されている。病期は、がんの胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まる。病期により治療方法が決まっている。
がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃がん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに及ぶものを「進行胃がん」という。がんが胃の壁の内側から外側に向かって深く進むに従い、転移することが多くなる。病期は治療前の検査によって決まるが、手術のときに転移などが見つかれば変更されることもある。
~表と図で説明~








