胃がんとは|検査や治療、ステージなど

胃がんとは

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すがんです。胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには何年もかかるといわれていて、大きくなるに従い、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜やさらにその外側まで広がり、近くにある大腸や膵臓にも広がっていきます。がんがこのように広がることを浸潤といいます。

がん細胞は、リンパ液や血液の流れに乗って他の場所に移動し、そこで増殖することもあります。これを転移といいます。最も多い胃がんの転移は、「リンパ節転移」で、リンパの関所のような「リンパ節」で増殖します。これは、早期がんでも起こることがあります。また、進行がんの一部では、腹膜や肝臓にも転移がみられます。

特殊な胃がんとして、胃壁の中で広がって粘膜の表面には現れない「スキルス胃がん」があります。胃がんの約10%をこのスキルス胃がんが占めていると言われています。スキルス胃がんの場合、診断がついた時点で60%の患者さんに転移がみられます。症状もスキルス胃がんであるからこそというような特有の症状はなく、通常の胃がんとほぼ同じ症状です。中には初期症状として背中の痛み(放散痛)を訴える方もいるようです。しかし、スキルス胃がんは粘膜の表面にがんが現れることが少なく、胃の壁をしみこむように浸潤していくため、内視鏡での発見が難しく、見つかった時にはすでに進行していることも少なくありません。そのため、胃がんの症状が出ているのに、検査では異常がなく、進行してから発見される例が少なくありません。

胃がんは早い段階で自覚症状が出ることが少なく、胃がんの進行の程度にかかわらず、症状が全くないという場合もあります。逆に早い段階から胃痛、胸焼け、黒い便がみられることもあります。これらの症状は胃炎や胃潰瘍などにもみられる症状です。そのため胃がんではなく、胃の別の病気であると思い放っておいてしまうこともよくあります。定期的な検診を受けることはもちろん、症状が続くときには早めに受診することが、胃がんの早期発見につながります。

診断や治療の進歩により、胃がんは治りやすいがんの1つといわれています。胃がんの治療は、胃がんの大きさや広がりなどによって細かく決められていますが、進行した状況で発見された場合は、治療が難しいこともあります。

胃がんにかかる人の傾向は40歳以降に顕著になります。胃がんにかかる人の数は高齢化のために全体数は横ばいですが、一昔前の同年代の人々に比べると、男女とも大きく減ってきています。がんで亡くなった人の数では、2004年時点で男性は第2位、女性は第1位となっていますが、統計的にみると死亡率は減少してきています。

胃がん死亡者数

胃がんの症状

早期の胃がんで見られる症状には、以下のようなものがあります。

・消化不良や胃の不快感
・食後の膨満感
・軽度の悪心
・食欲低下
・胸焼け

さらに胃がんが進行すると、以下のような症状が見られるようになります。

● 食思不振、悪心・嘔吐
胃がんによって消化管が狭くなると、食べものの通過が悪くなり、胃が重く感じるようになります。そのため、食欲がなくなったり、吐いたりすることがあります。

● るいそう、全身倦怠
食思不振や悪心・嘔吐によって、栄養を身体に吸収させることができなくなった結果、痩せたり全身にだるさが出ることがあります。

● 吐血・下血
がんによって胃の細胞が崩れて出血し、胃の中にたまった血液を体外に出すことで起こります。下血の場合、胃からの出血は胃酸によって血液が酸化されるため、黒い便(黒色便)として見られることが多くなります。

● 腹痛・腹部不快感
みぞおちや臍の上の痛み、あるいは食事の前後に腹部に鈍痛やもやもやとした感じ見られるようになります。胃がん特有の症状ではないものの、胃がん患者の多くが訴える症状です。

● 胸焼け
食道と胃の境界にがんができた場合に起こりうる症状です。食物の流れが悪くなることによって、食後にものがつかえたり、食べ物がこみあがってくる感じがあります。逆流性食道炎の場合によくみられる症状です。

また胃がんが進行すると、皮膚や白目が黄色になる黄疸、腹腔内に液体が溜ってしまう腹水、食べ物が飲み込みづらくなる嚥下困難感などが見られるようになります。

症状は全ての症状が全ての人に当てはまるというわけではありません。

胃がんの原因

胃がんの原因については多くの研究がなされており、リスク要因としていくつか分かってきているものがあります。その中でも特に強いリスク要因として挙がっているのが、ヘリコバクターピロリ菌への感染です。WHOからも、確実な発がん因子としての認定がなされています。

ヘリコバクターピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、胃の表層に胃炎を引き起こします。ヘリコバクターピロリ菌への感染が続くと、胃の粘膜は慢性的に胃炎が起こっている状態になり、胃の粘膜はだんだん萎縮していきます。その結果、胃壁を形成する細胞のがん化が進み、胃がんを発症すると考えられています。

とある研究でヘリコバクターピロリ菌陰性の人たちと、ヘリコバクターピロリ菌陽性の人たちとの間で、胃がんの発症率を調べたところ、次のような結果が出ています。

● ヘリコバクターピロリ菌が陰性であった人:研究開始から10年経過しても誰1人として胃がんを発症しなかった
● ヘリコバクターピロリ菌が陽性であった人:研究開始から1年経ったときには、5%近い人が胃がんを発症し、治療を受けた

つまり、ヘリコバクターピロリ菌感染者10人に1人が、胃がんへと移行してしまったという結果となり、胃がん発症リスクは決して低くない、ということとなります。

胃がんのリスク因子となるものには他にも、塩分の多い食品や燻製食品の過剰摂取、野菜・果物の摂取量不足、飲酒、喫煙、保存状態の悪い食品を多く食べるなど、食習慣や生活習慣の乱れが挙げられます。また、高齢者や男性、慢性胃炎や胃のポリープがある、血縁者の中に胃がんの人がいるという場合も、胃がんを発症するリスクが高くなります。

胃がん検診とその費用

胃がんの検診の方法には主に胃エックス線検査と胃内視鏡検査があります。

胃エックス線検査

胃エックス検査とは、レントゲンを用いて胃の内部の状態を診る検査方法です。一次検査としてのがん検診で、厚生労働省から有効性を認められている検査となります。前日の夕食と当日の朝食を欠食してもらい、検査を受ける場所で胃の内部を診るための造影剤バリウムと、胃を膨らませる炭酸ガスを発生させる発泡剤を飲み検査を受けます。

検査は回転する台の上で、指示に従いながら体を回転させ、胃全体にバリウムを付着させて撮影します。終了後は、渡された下剤を内服し、バリウムを完全に体外から排出するようにします。

胃エックス線検査は、放射線被ばくや検査精度にある程度のムラが生じるものの、費用が安く、検査の苦痛が少ないため、胃の検査にあまりお金をかけたくない人や、今まで胃の病気をしたことがない人、普段から胃が痛くなることがない40歳未満の方には、勧められる検査です。

費用はがん検診として受けた場合、医療機関では大体3,000円前後、保健福祉センターなどで自治体が行う場合は1500円前後となることが多いようです。

胃内視鏡検査

胃内視鏡検査とは小型のカメラを口または鼻から挿入し、胃の内部を直接観察する検査方法です。従来から任意型検診としては普及していましたが、2016年に「がん検診実施のための指針」が改正されてからは、対策型胃がん検診としても実施されるようになりました。 胃内視鏡検査では、粘膜の微細な変化も鮮明に見ることができ、病変と思われる部分を見つけた際には、組織を採取して顕微鏡などで詳細な検査を行う「生検」も、同時に行うことができます。

こちらも前日の夕食と当日の朝食を欠食し、病院で胃を膨らませるお薬を飲み検査を受けます。麻酔や鎮静剤を使用しての検査が可能であるため、検査を行う施設によっては、全身麻酔と喉元のみの部分麻酔とで選択できることがあります。

胃内視鏡検査は、バリウムによる胃のX線検査よりも、胃がんの早期発見ができるというメリットがあります。その一方で、検査をする医師の技量によって差が出る可能性があるという特徴があります。

この検査を勧められる人の特徴としては
●徹底的に胃を調べたい人
●家系に胃がんの人がいる人
●食欲がないなどの自覚症状がある人
●過去にピロリ菌がいると言われた人や、ピロリ菌の除菌をした人
などです。

費用は胃の内視鏡検査のみであれば3000円前後となりますが、異常と見受けられる組織を見つけた際に採取して生検を行う場合には8000円~1万円前後かかります。金額は、病院によって異なります。

また、胃内視鏡検査の場合、自主的に人間ドックで内視鏡検査をする場合は、同じ検査を受けるにもかかわらず、保険適用とならずに自費診療という扱いになってしまいます。しかし、人間ドックを受けた結果として、内視鏡検査をすすめられて再検査、精密検査を受けた場合は、保険適用となります。 がん検診として受けた場合は生検をせず検査のみであれば保険適用となります。

ペプシノゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査

他にもペプシノゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査などが、平行して行われることもあります。

ペプシノゲン検査とは胃がんになる前に萎縮性胃炎(いしゅくせいいえん)という病態になっているかどうか、採血をして判断します。検査が比較的安く行え、負担が少ない一方で、検査の結果と胃がんとが必ずしも結びつかないことや、陰性と診断されたにもかかわらず実は胃がんだった、という場合もあります。

ヘリコバクターピロリ抗体検査は胃がんとの関係性が指摘されているヘリコバクターピロリ菌を発見するための検査です。検査費用は安く、検査方法も「呼気を専用の袋に吹き込むだけ」という、身体への負担はかなり少ない検査です。その一方で、ヘリコバクターピロリ菌への感染が確認されても、100%胃がんになるわけではないことから、精密検査としての検査項目にはなり得ないという特徴があります。

胃がんの検査と診断

現状の項目の中に追記してください。キーワード(超音波検査/早期発見/腫瘍マーカー:概要のみ ※詳細は腫瘍マーカーのページへリンク)を入れてください。

胃がんが疑われるときには、胃の内視鏡検査やの胃Ⅹ線検査を行います。胃がんの広がりを調べる検査としては、胸部X線、腹部超音波(エコー)、CT、直腸検査などを行うこともあります。

胃Ⅹ線検査(バリウム検査)

バリウムを飲んで、X線で胃の形や粘膜(しわ)の状態を見ます。途中で発泡剤を飲んで胃を膨らませ、バリウムを胃の粘膜に付着させるために、身体を仰向けやうつ伏せ、左右に回転させていきます。

発泡剤を飲むとげっぷが出やすくなりますが、検査中は胃の中を見やすくするためにげっぷを我慢することが必要です。検査の感度は70~80%ともいわれ、胃がんの早期発見に最も適した検査とされています。

内視鏡検査

ファイバースコープで胃の内部を直接見て、がんが疑われる場所の広がりや深さを調べる検査です。以前は胃カメラと呼ばれていました。がんが疑われる場所の組織の一部を採って、がん細胞の有無を調べる病理検査もします。胃に直接カメラを入れることで粘膜の微細な変化も鮮明に見ることができ、凹凸の少ない病変や出血も容易に確認することができます。

また、胃X線で疑わしい病変が見つかった際に確定診断として内視鏡検査を行うこともあります。

さらに超音波の機能を伴った内視鏡で検査をする超音波内視鏡検査や超音波検査をすることもあります。これは病巣の深達度診断や進行度を調べる際に用いられます。

直腸検査

お尻からバリウムと空気を注入し、大腸の形をX線写真で確認する検査です。胃のすぐ近くを通っている大腸にがんが広がっていないか、腹膜転移が生じていないかなどを調べます。検査中に大腸の中に空気が入ると、下腹部の張り感を強く感じることがあります。
胃がんの腹膜転移とは、がんが胃の外側にこぼれ落ちて、肝臓、腸、膀胱、卵巣などを包んでいる腹膜(漿膜)に付いて増殖した状態です。腹水がたまったり、腸が狭窄を起こすこともあります。

血液検査

CEAやCA19-9と言われる腫瘍マーカーを血液検査にて調べていきます。
しかし早期の胃がんでは腫瘍マーカーの上昇が見られないことが多いため、他の検査と併せて検査をしていきます。
腫瘍マーカーについてもっと詳しく見る

胃がんの病期(ステージ)

病期とは、がんの進行の程度を示す言葉で、英語をそのまま用いてステージともいいます。医師からの説明などでは、「ステージ」という言葉が使われることが多いです。病期には、ローマ数字が使われ、胃がんでは、I期(IA、IB)、II期、II期(IIA、IIB)、IV期に分類されています。病期は、がんの胃の壁の中にどのくらい深くもぐっているのか(深達度)、リンパ節や他の臓器への転移があるかどうかによって決まります。病期により治療方法が決まっています。

がんの深さが粘膜下層までのものを「早期胃がん」、深さが粘膜下層を越えて固有筋層より深くに及ぶものを「進行胃がん」といいます。がんが胃の壁の内側から外側に向かって深く進むに従い、転移することが多くなります。病期は治療前の検査によって決まりますが、手術のときに転移などが見つかれば変更されることもあります。

胃がんは、深達度:T、胃周囲の領域リンパ節転移の数:N、遠隔臓器や遠隔リンパ節への転移(腹膜転移、肝転移、肺転移、頚部リンパ節転移など)の有無:Mによって、4つの病期(ステージ)に分けることができます。

がんの深達度:T
 T1:がんの浸潤が粘膜または粘膜下層にとどまる
 T2:がんの浸潤が固有筋層に至る
 T3:がんの浸潤が漿膜下組織に至る
 T4a:がんが遊離腹腔に露出している
 T4b:がんの浸潤が直接他臓器まで及ぶ

リンパ節転移:N
 N0:リンパ節転移を認めない
 N1:領域リンパ節転移が1~2個
 N2:領域リンパ節転移が3~6個
 N3:領域リンパ節転移が7個以上

遠隔転移:M
 M0:遠隔転移を認めない
 M1:遠隔転移を認める

 ● 0期(上皮内がん):胃壁の粘膜層(最内層)の内側にのみ異常細胞が認められる。
 ● IA期:胃壁の粘膜下層にがんが広がっている
 ● IB期:
  ≫ 胃壁の粘膜下層にがんが広がっており、かつ腫瘍近くに1~2カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは胃壁の筋層にまで広がっている
 ● IIA期:
  ≫ がんは胃壁の漿膜下層に広がっている
  ≫ あるいは、胃壁の筋層に広がっており、腫瘍近くに1~2カ所のリンパ節転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の粘膜下層にがんが広がっており、腫瘍近くに3~6カ所のリンパ節転移が認められる
 ● IIB期:
  ≫ 胃壁の漿膜にまでがんが広がっている
  ≫ あるいは、胃壁の粘膜下層に広がっており、腫瘍近くにある1~2カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の筋層にがんが広がっていて、腫瘍近くにある3~6カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の粘膜下層に広がり、腫瘍の近くにある7カ所以上のリンパ節に転移が認められる
 ● IIIA期:
  ≫ がんは胃壁の漿膜まで拡がっており、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の漿膜下層にがんが広がっており、腫瘍近くの3~6カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の筋層に広がっており、腫瘍近くの7カ所以上のリンパ節に認められる
 ● IIIB期:
  ≫ がんは脾臓、横行結腸、肝臓、隔膜、膵臓、腎臓、副腎あるいは小腸などの隣接臓器に広がっており、腫瘍近くの1~2カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の漿膜まで広がり、腫瘍付近の3~6箇所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の漿膜下層にがんが広がっており、腫瘍近くの7カ所以上のリンパ節に転移が認められる
 ● IIIC期:
  ≫ がんは胃壁の漿膜まで広がり、腫瘍近くにある1~2カ所のリンパ節に転移が認められる
  ≫ あるいは、胃壁の漿膜まで広がり、腫瘍近くにある7カ所以上のリンパ節に転移が認められる
 ● IV期では、がんは身体の遠隔部位まで広がる

この病期(ステージ)によって、治療方針が検討されます。

生存率・予後

2004年から2008年に胃がん治療を受けた方の5年生存率を見てみると、
● ステージI:97.6%
● ステージII:66.0%
● ステージIII:46.92%
● ステージIVは7.1%
となり、全症例での平均は73.5%となります。

つまり、早期発見し、早期治療を受けることで、生存率を高めていくことができるのです。

治療法

手術(外科療法)

<特徴>

がん病巣を手術で除去する療法で、原発巣だけでなく、他の部位に転移した転移巣も取り除きます。がんそのものを外科手術で除去する局所療法です。がんの治療法として最も基本的な治療法です。

胃がんではステージⅠB期以上のすべてのがんが手術の適応となります。胃の手術には下記に記載するさまざまな手術方法があります。

● 縮小手術
腹腔鏡などを使用して胃の一部のみを切り取る手術です。胃がほとんど残るため合併症などが起こる可能性が低くなります。

● 定型的幽門側胃切除術
胃の手術の中で最もスタンダードな手術となります。胃を広い範囲で切除し、転移しているリンパ節を切除します。

● 噴門側胃切除術
食道から胃の入り口付近に存在する早期の胃がんに対して行う治療です。食道と残った胃の間を空腸でつなぎ、液の逆流を防ぎます。

● 胃全摘術
胃を全部切除し、周囲のリンパ節や脂肪なども一緒に切除します。脾臓も場合によって切除することがあります。胃切除後は、腸を切って持ち上げて食道とつなぎます。

● 拡大手術
進行した胃がんに対して行う手術です。胃だけでなく多臓器合併切除(膵臓、脾臓、大腸などを一緒に切除)や拡大郭清(遠くのリンパ節を切除)も一緒に行われます。

● 姑息的手術
胃がんを治療するためではなく、症状を緩和するために行う手術です。がんによって食べ物が通らなくなった、腸閉塞になったといった場合にバイパスを作ります。

● 減量手術
腫瘍の量を減らすための手術です。腫瘍による症状の緩和や、延命目的に行われるものの標準的な治療ではないため病状によって適応が検討されます。

また、早期の胃がんである場合は内視鏡を使用してがんを切除することも可能です。これは内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)といわれ、粘膜下層にがんがとどまり、転移の可能性が無い場合に行える手術です。近年、治療適応の拡大や技術的な進歩によって、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が普及しています。

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抗がん剤(化学療法)

<特徴>

化学物質(抗がん剤)を利用してがん細胞の増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療法です。全身のがん細胞を攻撃・破壊し、体のどこにがん細胞があっても攻撃することができる全身療法です。

胃がんの治療ではフルオロピリミジン系薬剤であるフルオロウラシル(商品名:5-FU)、S-1、カペシタビンなど、プラチナ系薬剤(シスプラチン、オキサリプラチン)、タキサン系薬剤(パクリタキセル、ドセタキセル)、塩酸イリノテカン、ラムシルマブなどの抗がん剤を単独または組み合わせて使用します。

また胃がんは約10~20%にHER2(ハーツウ)という細胞増殖にかかわるたんぱく質が多く発現していることが知られていることから、HER2の働きを抑える分子標的療法を化学療法と併用して行うことがあります。

一般的に、胃がんは化学療法のみで治療することが難しく、病期IIより進行している場合は手術後に補助化学療法を行います。また、延命や症状の緩和のために化学療法を行うこともあります。

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放射線療法

<特徴>

腫瘍の成長を遅らせるために、あるいは縮小させるために放射線を使用する治療法です。がんに侵された臓器の機能と形態の温存が出来ますまた、がんの局所療法であるため、全身的な影響が少なく、高齢者にも適応できる患者にやさしいがん治療法です。

胃がんに対する放射線療法は、手術療法よりも確実な効果を得ることが難しいため、胃がん治療で放射線療法を行うことは少ないとされています。脳や骨への転移がある場合の転移巣の治療、あるいは胃がんからの出血を抑える目的などで、放射線療法を行うことはあります。

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免疫細胞療法

<特徴>

身体の免疫を担う本人の細胞を体外で大量に数を増やし、機能を増強あるいは付加した上で体内に戻して行われる治療法です。上記の三大治療法に対して、近年注目されてきている、副作用がほとんど確認されていない先進的ながん治療法で、目に見えないがんや転移防止に有効な全身療法です。
がんに対する抗がん剤などの積極的な治療は行わず、症状などを和らげる治療に徹するベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の選択肢の一つです。
免疫療法は副作用が少ないため、症状の緩和やQOLを高めることにつながります。

<対象となるがん>
かなり進行してしまっている方から比較的に早期に手術ができた後に再発を抑えることを目的とした方まで広く対象となります。血液がんを除く多くのがん種に適応できます。

<副作用>
もともと患者自身の細胞を利用するので、他の治療と比べると副作用が極めて少なく、身体への負担が軽い治療法と言えます。

<活性化リンパ球療法>
体内のリンパ球を活性化させ増やして、それを治療に使う方法で、免疫細胞療法の一つです。体内のリンパ球を一度体外へ出し、そこで活性化させてからふたたび体内へ戻します。がんの初期の段階から、再発予防を目的とした選択肢として期待の持てる治療法です。

<併用療法>
活性化リンパ球療法を抗がん剤や放射線治療と組合せ行えば、増加しやすい細胞と増え難い細胞ともに治療のターゲットとなりますので、再発予防の際に効果的です。副作用を出来るだけ少なくできますので、QOLの維持・向上がしやすいです。なお、抗がん剤や放射線治療と、活性化自己リンパ球療法を組合せて行う場合は、抗がん剤治療を受けているケースでは培養ができないわけではありませんが、抗がん剤治療を始める前に採血する方がより望ましいと考えられています。
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陽子線治療

<特徴>

通常のX線の放射線治療ではがん局部の周囲の正常な細胞も傷つけてしまいますが、陽子線治療はがん局部だけを照射して周囲の正常な 細胞が傷つくことをより抑えることができます。また、痛みもほとんどなく、1日15~30分程度のため、身体への負担が少ない治療です。1日1回、週 3~5回行い、合計4~40回程度繰り返します。
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重粒子線治療

<特徴>

陽子線治療と比べて、さらにがん局部を集中的に治療が可能となります。がん細胞の殺傷効果は陽子線治療の2~3倍大きくなります。 進行したがんは低酸素領域がありますが、このようながんでも治療が可能です。また、X線では治療が難しい深部にあるがんの治療も可能です。治療は1日1 回、週3~5回行い、合計1~40回程度繰り返します。平均では3週間程度の治療になります。1回当たり、20~30分程度の治療時間になります。
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再発予防

がんの再発予防のために行われる治療法としては薬物療法、術後補助療法、免疫療法という主に3つの術後補助療法があります。再発予防に当たってはできるだけ副作用がない方が良いと考えられておりますが、免疫療法の活性化自己リンパ球療法は副作用が非常に少ない治療法です。再発予防についてはそれぞれの治療に特徴がありますので、積極的に情報を集め、主治医と相談して、治療法を選択することが大切です。

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治療実績

2013年に厚生労働省行った「DPC導入の影響評価に関する調査」に基いた治療実績の情報になります。
胃の悪性腫瘍の治療実績についてもっと詳しく見る

再発・転移

胃がんの転移で最も多いのはリンパ節転移で、早期の胃がんでも起こることがあります。リンパ節転移の場合は、胃周囲のリンパ節郭清を行うことである程度治療をすることができますが、遠くのリンパ節にまで転移している場合は、リンパ節切除のみでの治療は難しくなります。また、ある程度病気が進行すると、肝転移や腹膜播種、血行性転移がみられることもあります。

再発した場合は転移と同様の考え方をするため、手術で取りきることが難しく、化学療法での治療が行われます。特に進行している胃がんでは再発の可能性が高くなるとされています。

参考文献

愛知県立がんセンター中央病院 いろいろながん 胃がん
https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/12knowledge/iroirona_gan/02i.html
国立がん研究センターがん情報センター 胃がん 基礎知識
https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/index.html
同上 胃がん 検査・診断
https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/diagnosis.html
一般財団法人国際医学情報センター がんinfo 胃がん
https://www.imic.or.jp/library/cancer/011_gastric.html
オリンパス 超音波内視鏡検査
http://www.onaka-kenko.com/endoscope-closeup/endoscopy-role/endoscopy_06.html
日本医師会 胃がん検診 胃がん検診の検査方法
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/stomach/checkup/
四国がんセンター 胃がん治療法について
http://www.shikoku-cc.go.jp/hospital/guide/kranke/outpatient/support/marron/stomach/endoscope/
東戸塚記念病院 胃癌の手術を受けられる方へ
http://www.higashi-totsuka.com/clinical_dept/surgery/surgery-explanation_002.html

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