海外承認済み、国内未承認の抗がん剤リスト更新

国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)先進医療評価室は、2015年4月より公開している「国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリスト」を2016年7月4日現在の情報で再集計し、9月9日にホームページで公開した。

先進医療評価室は、厚生労働省医政局から委託を受けた「医療上の必要性が高い抗がん剤を用いる先進医療における外部機関での評価等業務」についての事務局として活動している。そして、技術的な検討・評価を行う、がん臨床や生物統計、生命倫理などの専門家で構成される「先進医療評価委員会」を設置し、運営している。

国内で薬事法上未承認・適応外となる医薬品・適応のリストは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している「未承認薬データベース」をもとに、国がん先進医療評価室が、米国あるいは欧州の承認情報を追加して作成したリストである。

再集計結果のポイントとしては、まず2016年7月時点で、欧米先進国既承認、日本未承認の抗がん剤はのべ50剤(44薬剤50適応)であった。その内訳は、血液領域25剤、泌尿器科領域(前立腺がんなど)6剤、皮膚科領域(悪性黒色腫など)5剤、乳がん3剤、骨軟部腫瘍(肉腫)2剤、肺がん(非小細胞肺がん)2剤が主なものであった。5大がん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝がんあるいは子宮がん)のうち上記の乳がん、肺がん以外のがんでは未承認薬は1剤のみであった。さらに、50剤の抗がん剤のうち、薬剤費が判明している45剤中32剤において1カ月当たりの薬剤費が100万円以上であったという結果も出ている。

同リストは、米国FDAおよび欧州EMAが承認した医薬品のうち、がん領域において日本では未承認あるいは適応外の医薬品とその1カ月あたりの薬剤費の試算を提示したものである。そして、これまでに2015年1月末、2015年7月末現在で更新し、今回は2016年7月4日現在で更新を行っている。

加えて、同リストは9月21日に開催された厚生労働省の患者申出療養評価会議における検討資料としても活用されている。
(Medister 2016年10月11日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 海外承認済み、国内未承認の抗がん剤リスト更新(2016年7月時点) 日本未承認は50剤、32剤が月の薬剤費100万円超
国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品について

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