国立がん研究センターとアストラゼネカ 質量分析イメージング法による新規抗がん剤の局在解析に関する共同研究契約を締結

国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)とアストラゼネカ株式会社(以下アストラゼネカ)は、新規抗がん剤に関する臨床開発と非臨床研究の推進を目的とする包括共同研究契約をそれぞれ2011年、2012年に締結し、数多くの臨床並びに非臨床共同研究を実施してきた。

この度これらの成果に基づいて、新たに国立がん研究センターが開発中の質量分析イメージング法(Mass Spectrometry Imaging: 以下、MSI)を用いて、アストラゼネカの新規抗がん剤の腫瘍組織への局在を解析する非臨床共同研究契約を2015年9月10日に締結している。

アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事している。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者に使用されている。日本においては、主にがん、循環器、消化器、呼吸器、糖尿病、ニューロサイエンスを重点領域として患者の健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動を続けてきた。

MSIは、腫瘍組織で起こる抗がん剤の複雑な相互作用について、放射性同位体を使用せずに直接分析できる技術である。本共同研究の成果は、今後、新規抗がん剤を用いた早期臨床試験(第I相臨床試験)において、生体組織検査により腫瘍組織中の薬物分布濃度と効果との関連を評価し、投与量の設定及び作用の評価に役立てることを目標としている。この技術を用いれば、臨床試験の時間の短縮も可能になることも期待されている。また、がん治療分野だけでなく、生体組織検査を行う他の治療分野における当該薬剤の組織中の薬物分布濃度と効果との関連を評価することにも応用できる可能性がある。

本契約により、アストラゼネカの抗がん剤候補を用いての共同研究を進めることで、高度先駆的医療技術の臨床試験への応用を積極的に進めることが国がんの当面の目標だという。
(Medister 2016年5月23日 中立元樹)

<参考資料>
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