国立がん研究センター発 抗体医薬開発ベンチャーを認定

国立研究開発法人国立がん研究センター(略称:国がん)は、抗体医薬の開発を行う株式会社凜研究所(以下「凜研究所」)を国立がん研究センター発ベンチャーとして認定した。

国立がん研究センター発ベンチャーとは、センターの役職員が成し得た知的財産権や研究成果等を活用するために設立したベンチャーからの申請に対し、研究成果の活用が期待できるものと認定されたベンチャー企業のことである。センター発ベンチャーと認定されることにより、国がん研究設備等の利用、知的財産権の実施許諾、シーズ開発の支援等を受けることができるとともに、これらによりがん治療、診断、予防でのイノベーションを起こし、臨床応用を推進することを目指すことも可能だ。

過去に国立がん研究センター発ベンチャーと認定された企業は、ノイルイミューン・バイオテック株式会社と株式会社A-Traction(エー・トラクション)の2社で、前者はがん免疫療法における医薬品開発、新規がん免疫療法の開発を、後者は腹腔鏡手術支援ロボットの開発で貢献している企業である。

この度国立がん研究センター発ベンチャーに認定された凜研究所は、がん抗体医薬の開発に従事している会社である。現在、がん治療において抗体医薬は最も重要な治療薬および診断薬となっている。しかしながら抗体医薬の開発においては、日本は欧米にかなりの後れを取っており、このままでは現在の医薬品等の輸入超過が一層進むことが予想される。そこで凜研究所は、独自の方法で新しいがん特異分子を見出し、それらのモノクローナル抗体の作製に成功した先端医療開発センターと連携し、同分野で見出された新規の抗体シーズ数種によるがん診断薬ならびに治療薬の開発に取り組み、いち早く臨床応用を達成し、研究成果を社会に還元することを目的としている。

凜研究所は現在のところ、大腸がん抗体と血液凝固系抗体の作製に重点を置いており、腫瘍マーカーあるいは早期診断法の開発及び抗不溶性フィブリン抗体を用いたがん間質ターゲティング療法の臨床開発を狙いとしているという。
(Medister 2016年3月14日 中立元樹)

<参考資料>
国立がん研究センター 国立がん研究センター発 抗体医薬開発ベンチャーを認定 がん診断薬・治療薬の開発を目指す 株式会社凜研究所

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