抗がん剤と女性ホルモン剤 名前が類似した薬剤の取り違えに注意喚起

1028441_2792287822015年7月27日、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)より、「『デュファストン®錠』と『フェアストン®錠』の取り違え事例のお知らせ」が公表された。この情報は、両薬剤の販売元である、アボット・ジャパン(本社:東京都港区)および日本化薬(本社:東京都千代田区)からの、医療従事者向け注意喚起文書によるもの。

今回取り違えが発生した薬品は、以下の2剤である。
●アボット・ジャパン:女性ホルモン剤 デュファストン®錠(一般名:ジドロゲステロン)
●日本化薬:閉経後乳がん治療薬 フェアストン®錠(一般名:トレフェンクエン酸塩)
PMDAの「ヒヤリ・ハット」報告で明らかになった、2つの事例が公開されている。

1例は、不妊治療のために処方された「デュファストン®錠」に対し、病院の薬剤師が「フェアストン®錠」を調剤した。患者は朝と昼の計2回、2錠を服用したが、交付から2日後に違う薬剤であることに気付き、病院へ連絡して発覚した。
この病院の薬剤棚では、両剤が(違う薬剤を挟んでいたものの)使用頻度の低い同一列に配置されていた。ラベルの色の違いはあったが、急いでいたために処方箋監査と調剤の段階でのダブルチェックを行っていなかった。別の薬剤師が調剤監査のみ行ったが、処方箋を見ながらのピッキングを行わず、調剤監査時に、薬袋に入った薬剤の薬剤名確認を怠った。さらに、薬剤交付時に行うべき患者との薬剤の確認や、説明・指導を行っていなかったなど、いくつかの要因が重なっていたことが分かっている。

もう1例は、「フェアストン®錠」を処方された患者が調剤薬局にて調剤を受けて帰宅。帰宅後に違う薬剤であることに気付いた患者からの連絡で発覚し、薬剤の交換が行われた。
こちらについても、調剤・監査時に行われるべき確認作業を怠ったことが挙げられており、同じ「産婦人科」で処方される薬剤であることから「思い込み」で調剤したことも指摘されている。
(Medister 2015年7月29日 葛西みゆき)

<参考資料>
PMDA 「デュファストン®錠」と「フェアストン®錠」の取り違え事例発生のお知らせ

同上 デュファストン®錠5mg 添付文書

日本化薬 フェアストン®錠40・60 添付文書

ミス・事故をなくす医療現場の5S —ものの5Sから業務の5Sまで—
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