味の素が膵臓がん検診? アミノ酸の変動を捉え、がんリスクを判定

OLYMPUS DIGITAL CAMERA2015年6月13日、「味の素株式会社(本社:東京都中央区、以下、味の素)が2015年8月より、早期発見が難しい膵臓がん発症リスクを、血液検査だけで検査する、人間ドックのオプション検査の提供を始める」と報道された。最もリスクが高い「Cランク」では、膵臓がん発症リスクは平均よりも11.6倍高いとされ、精密検査を受けることで早期発見につなげることが目的。

味の素の研究開発部門では、「アミノインデックスR」という、健康状態や疾患リスクを判定する解析サービスを提供している。これは、血液中のアミノ酸濃度の測定により、代謝バランスの変化を捉え、その結果として特定の疾患である可能性を判定する。例えばがん以外の疾患、糖尿病や高血圧、アルツハイマーなどでも、血中アミノ酸濃度に特徴的な変動が起こるという報告がある。
味の素では2011年から「がんスクリーニングサービス」として、胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)に対して、アミノインデックスRの提供を行っている。2012年には子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどへも適応を拡大しており、今回、さらに膵臓がんへの適応を拡大したことになる。

膵臓がんはそもそも、罹患率に対しする死亡率が高い。罹患率は60歳代から増加する。死亡率は、男性の方が女性よりも1.6倍高いと言われ、毎年3万人以上が膵臓がんで死亡している。5年生存率は7%程度であり、他のがんと比較しても著しく低い。自覚症状に乏しく、早期発見が難しいことから、膵臓がん早期発見につながる技術の開発が、大きな課題とされていた。

現在のところ、このアミノインデックスRで、疾患の確定診断が行われるものではない。あくまでその可能性を判定するものではあるが、早期発見、早期治療につながる、1つの手がかりとなり、すでに臨床現場での活用も始まっているという。2015年6月現在、味の素のサイトからは、全国で80以上の導入医療機関が検索できる。
(Medister 2015年6月16日 葛西みゆき)

<参考資料>
味の素株式会社 アミノインデックスR

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