コーヒーと発がんの関係? 世界中で注目されるその効果とは

s-coffee_stockx2015年5月7日、国立がん研究センター(以下、国がん)が、「緑茶やコーヒーの摂取量と、死亡・死因別死亡の関連を明らかにした」と公表したことは、記憶に新しい。
国がんの発表によると、緑茶を一日5杯以上摂取したグループの全死亡リスクは、摂取しないグループと比較し、男性が13%、女性が17%、低下していることが分かった。また、摂取量が増えるにつれて全死亡リスクが下がることも確認された。しかし、がんに限ってみると、その関連は男女とも見られなかった。
コーヒーについても、ほとんど飲まないグループと比較すると、一日3~4杯を飲むグループは、心疾患・脳血管疾患・呼吸器疾患による死亡率の減少効果が確認されたが、がんとの関連性は見られなかった。部位別に行われた先行研究では、コーヒー摂取と肝がん、膵がん、女性の大腸がんと子宮体がんのリスク低下との関連が示唆されたが、全がんでは有意差が確認されなかった。

ところが、世界では少し違う観点での研究成果が次々と公表されている。
・コーヒーを飲むと乳がんリスクが2割以上減る(スウェーデン)
・コーヒーを多く飲むと、大腸ポリープ発生を予防し、結腸直腸線種(CRA)のリスクが半減する(国がん)
・一日3杯の飲酒は肝臓がんリスクが増えるが、コーヒーと魚の摂取はリスクを下げる可能性がある(世界がん研究基金(WCRF))
・一日にコーヒーを3杯以上飲む女性は、子宮内膜がんのリスクが2割程度下がる可能性(イギリス)
・コーヒーでメラノーマのリスクが低下、一日4杯以上で効果あり(アメリカ)
以上は全て、2015年1月以降に公表された研究結果だ。コーヒーには、本当にこれだけの効果があるのだろうか。
気を付けなくてはいけないのは、“何故そうなるのか”というメカニズムは明確になっていない、という点だ。
これらは今後、さらなる研究が行われるであろう。新しい朗報に期待したい。
(Medister 2015年5月20日 葛西みゆき)


<参考資料>
国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 緑茶と死亡・死因別死亡、コーヒーと死亡・死因別死亡について
同上 緑茶摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について
PubMed Prospective study of breast cancer in relation to coffee, tea and caffeine in Sweden.
同上 Coffee intake and the risk of colorectal adenoma: The colorectal adenoma study in Tokyo.
WCRF-UK Three alcoholic drinks a day can cause liver cancer, new research finds
AACR Coffee Intake May Lower Endometrial Cancer Risk
PubMed Coffee drinking and cutaneous melanoma risk in the NIH-AARP diet and health study.

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