癌のリスク因子である“喫煙”は、大腸癌では死亡率を大きく左右する

941601_215302072大腸癌の治療を行った後、禁煙することで死亡率が半減することが分かった。2015年2月2日、米国がん協会、米国エモリー大学の研究グループにより行われた研究結果が、ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジーのオンライン版で公表された。

この研究は、米国がん協会に登録されている癌患者18万4,000人のうち、1992年から2009年の間に、転移が認められない結腸直腸癌と診断された2,548人を対象とし、平均7.5年間の追跡調査を行った。この2,548人そのうち、1,074人が追跡調査期間中に亡くなったが、大腸癌が原因とおもわれる死亡者は453人だった。
これらの患者に対し、喫煙との関係性を分析した結果、喫煙者の死亡リスクは、非喫煙者の2倍だったことが分かった。もともと喫煙者だが禁煙している人の場合は、非喫煙者と大きな差がなかった。しかし大腸癌意外の死因との関連性で分析すると、過去に喫煙歴のある人は、非喫煙者よりも死亡率が20%高くなることが分かった。

喫煙は、他の癌でもその発症率や、死亡率を高めるリスク要因となることが分かっている。
・口腔癌:喫煙は、全口腔癌の原因の80%を占める
・胃癌:日本人の場合、喫煙者は非喫煙者に比べて、胃癌リスクが1.6倍高くなる
・肺癌:日本人を対象とした研究(2008年)では、喫煙者の肺癌リスクは男性4.8倍、女性3.9倍という結果が出ており、発症リスクとしては、男性69%、女性20%くらい
・膀胱癌:男性の膀胱癌の70%以上は、喫煙のために発症するといわれている

日本人の場合、男性女性ともに1日あたりの喫煙数は11~20本程度が多い。しかしそれ以上の本数を吸う人は、女性の場合は5%程度だが、男性は15%程度いる。成人喫煙者の割合をみると、男性は年々わずかながら減少傾向にはあるが、女性は年ごとに波があり、30歳~50歳代、特に40歳代の喫煙者が多い傾向がある。
喫煙は人によってはストレス発散かもしれないが、癌との関係性を見る限りでは、命を縮める一番の原因となっていることは確実であろう。
(Medister 2015年2月20日 葛西みゆき)

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