肥満が「乳癌や肝臓癌の発症リスクをも高める可能性」が明らかに

fat_asi2014年10月7日、国立がん研究センターは、肥満は乳癌発症リスクになるとの研究成果を発表した。欧州のがん専門誌「Annals of Oncology」にて公表されている。 この研究は日本の8つのコホート研究のデータを元とし、対象者(女性)183,940名をBMIを基準に7つのカテゴリーに分けた。平均で約12年の追跡期間中、乳癌を発症した1,783人を、閉経前(301人)・閉経後(1482人)に分け、ともにBMI23以上25未満を基準(ハザード比=1)とし、BMIによる乳癌リスクを比較検討した。 その結果、閉経前乳癌も閉経後乳癌も、BMIが大きくなるほど乳癌リスクは高くなる傾向がみられた。閉経前乳癌では、BMI30以上のグループに基準の2.25倍のリスクがあることが分かった。さらに閉経後乳がんでは、BMIが1上がるごとに発症率が5%上昇するという関連性がみられた。これまでの欧米での研究では、閉経後乳癌は肥満がリスクとなるが、閉経前乳癌は「予防的である」というやや弱い関連性があるとの報告があった。しかしアジア人に対しての乳癌と肥満の関連は明らかにされていなかった。 一方で、2014年10月3日に東京大学は、内臓脂肪の蓄積や肥満に関連すると考えられているApoptosis Inhibitor of Macrophage(AIM)と、肝臓癌発症との関連性に関する研究成果を発表した。AIMは血中に存在し、脂肪細胞や肝細胞に取り込まれ、細胞中で中性脂肪の蓄積を阻害する働きがあるが、癌化した細胞には取り込まれず、細胞表面に留まることが分かった。これにより免疫機構の1つである補体が活性化し、癌化した肝細胞を攻撃していることがマウスで確認された。さらに研究グループは、AIMを持たないマウスを作製。高カロリー食を与えて脂肪肝の状態にすると100%の確率で肝臓癌を発症したが、このマウスにAIMを与えると肝臓癌の発症が抑制された。つまり血中AIM値が肝臓癌発症の鍵となることが示唆されたのだ。 いずれにしても、日本人の肥満は増加傾向にある。これらの研究成果が、肥満予防への根拠となることに期待したい。 (Medister 2014年10月17日 葛西みゆき) 患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2014年版
患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2014年版

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