富士フイルムが開発中の抗癌剤、米国における第1相臨床試験が開始される

Hypogranular_neutrophil_with_a_pseudo-Pelger-Huet_nucleus_in_MDS2014年8月31日、Boston Strategics Corporation(BSC、本社:米国マサチューセッツ州ボストン)は、富士フイルムの子会社、FUJI FILM Pharmaceuticals U.S.A., Inc. (FPHU) と共同で、富士フイルムが開発中の抗癌剤、「FF-10501」の第Ⅰ相臨床試験を米国で開始したと発表した。対象となる疾患は再発・難治性骨髄異形成症候群(MDS)。米国での臨床試験は、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター(MD Anderson)において、MDSの世界的権威であるガルシア教授を治験責任医師として行われる。2017年12月までの予定。 日本では2013年よりすでに同抗癌剤の第Ⅰ相臨床試験(オープンラベル多施設共同試験)が開始されている。「FF-10501」は、血液癌細胞の増殖を抑制し、さらに正常機能を持つ細胞への分化を促進する効果が期待されている。また、既存のMDS治療薬は注射薬が主であるのに対し、「FF-10501」は経口剤であるため、特に高齢者のQOL向上に寄与すると考えられている。 MDSは、造血幹細胞に異常が生じ、十分な量の血球を作ることが困難となり、血球減少を起こす血液癌の一種である。予後不良である場合、急性骨髄性白血病に進行する難治性疾患でもある。現在、米国内のMDSの患者数は6万人、特に高齢者での発症例が多い。 現在の日本で行われるMDSの治療法には、造血幹細胞移植、抗癌剤治療、免疫抑制療法、ビタミンン療法などがある。中でも抗癌剤治療では、急性骨髄性白血病に対する標準的な治療に準じて、イダルビシン+シタラビン、あるいはダウノルビシン+シタラビンなどが使用され、高齢者や合併症がある症例に対してはアクラルビシン+シタラビン低用量+G-CSFFなどが使用される。しかし、どちらの抗癌剤療法でも寛解の効果は1年程度しか持続しないケースが多く、新たな抗癌剤の開発に期待が寄せられている。 (Medister 2014年9月4日 葛西みゆき) ここまできた白血病/MDS(骨髄異形成症候群)治療 (プリンシプル血液疾患の臨床)
ここまできた白血病/MDS(骨髄異形成症候群)治療 (プリンシプル血液疾患の臨床)

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