わが国の癌治療の実情が明らかに 国立がん研究センターが報告書を公表

shutterstock_160813871-[更新済み]独立行政法人国立がん研究センター(NCC)は2014年8月25日、「がん診療連携拠点病院等院内がん登録全国集計結果」を公表した。これは、2012年1月~12月の期間に書かく医療機関を初診した患者に関するデータをもとに集計されている。癌種による進行度・治療内容の分布を把握することで国や都道府県の癌対策に役立てる、各施設(※全国のがん診療連携拠点病院)が全国と比較した自施設のがん診療状況を把握することで癌診療の方向性等を検討する目的で作成された。 発見の経路をみると、およそ16%程度が「がん検診・健康診断・人間ドッグ」など、自覚症状を発症する前に発見されたことになるのだが、「他疾患の経過観察中」がこれを上回る結果となった。地域性や施設別のバラつきは特にみられない。 報告書の中ではさらに、胃癌・大腸癌・肝臓癌・肺癌・乳癌について、過去4年間の経時的な分析結果も記載されている。例えば、胃癌を例にとってみると、ステージ別の登録数は、2012年のデータではⅠ期:62%、Ⅳ期:14%だが、過去4年間で比較するとⅠ期・Ⅳ期が減少している反面、Ⅱ期・Ⅲ期が増加傾向にある。その理由としてはUICC TMN分類第7版の影響が考えられるとしている。また胃癌の治療法としては、Ⅰ期に対する「手術のみ」が減少し、0期・Ⅰ期の「内視鏡治療」が増加している。患者の年齢別にみると、70歳~79歳が最も多く(23,074人)、次いで60~69歳が多いが(18,238人)、年齢が若いほどⅣ期の割合が高くなっている。いずれのステージでも、年齢が若いほど手術のみの割合が高いと分析されている。 2011年からはがん診療連携拠点病院以外からの集計も行われており、集計の範囲を拡大することで、がん診療実態のいくつかの側面を明らかにしていくことになると期待されている。またこれらのデータは、臨床指標算出の基本データとしての利用、希少癌を含んだ施設別の診療件数等に関する詳細な情報提供にも利用されるであろう。 (Medister 2014年8月29日 葛西みゆき) がん診療レジデントマニュアル 第6版 (レジデントマニュアルシリーズ)
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