Hazardous Drugsから自分自身を守る 抗癌剤曝露の実態調査より

41dQ2u+WjaL._SS500_2014年7月17~19日に開催された第12回日本臨床腫瘍学会学術集会において、九州大学病院外来化学療法室の河野裕子氏により、外来化学療法室における抗癌剤職業曝露の実態調査結果が発表された。 2013年12月から2014年1月の期間に、サンプリングシート法による調査を行った。対象薬剤は、同化学療法室において使用頻度および使用量が高い5-FU、曝露量の調査対象となったのは、外来化学療法室に勤務する医療者(医師、看護師、薬剤師)の曝露量、および外来化学療法室の環境曝露量(床、安全キャビネットなど)である。3回に分けて測定された。医療者のモニタリングの結果としては、抗癌剤のミキシングを行った薬剤師からの検出量が最も多く、ミキシングを行わなかった薬剤師、医師、看護師からは検出されなかったという。また環境曝露量については、抗癌剤ミキシングを行う安全キャビネット周辺が最も高く、点滴トレーなどからも検出されており、さらには患者用トイレの床からも検出されたことが分かった。 抗癌剤暴露は1回の曝露量が少なくても、多くの種類の抗癌剤を長期に渡って身体に取り込んでしまうことから、その対策の重要性がしばしば問題となる。折しも2014年5月29日に厚生労働省から「発がん性等を有する化学物質を含有する抗がん剤等に対する曝露防止対策について」という通知が出たばかりだ。国際的なガイドラインである「Safe Handling of Hazardous Drug」では、①環境汚染の防止②安全な取り扱い方法③自らを汚染から守ることなどが推奨されており、調剤、投与・排泄物の処理、廃棄物の処理、清掃方法などのほか、セーフハンドリング教育にも重点を置くべきであると唱えている。 医療者に対する具体的な抗癌剤曝露方策については、その施設や医療者の状況によって考慮される部分もあり、これだという正解はない。今後、さらなる癌患者および抗癌剤治療の増加が予測される現代、環境面・行動面からのマニュアル整備だけではなく、抗癌剤治療に携わる医療者全体の意識向上も必要となるであろう。 (Medister 2014年7月30日 葛西みゆき) Safe Handling of Hazardous Drugs
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