携帯電話と脳腫瘍発症との関連性 累積通話時間が長いほどハイリスクへ

フランス・ボルドー大学の研究チームによる「長時間の携帯電話使用は脳腫瘍発症のリスクになる」との調査結果が、2014年5月9日付でBritish Occupational and Environmental Medicineにて公表された。Dr Gaëlle Coureauらの研究チームは、フランス国内において2004年から2006年の間に脳腫瘍と診断されたケース447例(グリオーマ253例、髄膜腫194例)および健康な男女892例に対し、対面による詳細なアンケート調査を行った。その結果、平均的(2時間半/月程度)な通話時間である場合には脳腫瘍発症との関連性は確認されなかったが、携帯電話での累積通話時間が長期となるグループでは、脳腫瘍を発症するリスクが高くなることが分かった(累計時間が896時間以上の場合、グリノーマではOR=2.89、髄膜腫ではOR=2.57)。単純に計算すれば、毎月15時間以上の通話を5年以上続けたグループは、脳腫瘍を発症するリスクがおよそ3倍程度高くなる。Dr Gaëlle Coureauは「電話を耳から離して通話できるハンズフリー機器の使用が推奨される」としている。 携帯電話による脳腫瘍のリスクは、2011年にもIARCにより「携帯電話による通話とグリオーマの発癌の可能性については、限定的ではあるがグループ2Bに分類される」と公表されている。これに対して国立がん研究センターは「日本人における調査では携帯電話とグリオーマとの関連性は見られていない」としつつも、累積通話時間が1640~2000時間にも及ぶとグリオーマ発症のリスクがあるため過度な通話は控えるべきであり、さらに子供では携帯電話のエネルギーによる脳への影響が成人の2倍以上ある点、20 歳未満ではその関連性が明確になっていないことなどから、特に小中学生・高校生に対する過度な携帯電話の利用は注意すべきである、という見解が示されている。 日本において携帯電話が発売されてからおよそ30年、いまや普及率は95%にも及ぶ。携帯電話・スマートフォンは、医療機器への影響なども含め“影響の少ない”方式へと日々進化しているが、どこまで脳腫瘍発症リスクを低減できるのか。今後も慎重な調査が必要となるであろう。 (Medister 2014年5月20日 葛西みゆき) 携帯電話 隠された真実[プレミア健康選書]―米国屈指の医学者が警告する、携帯電話の人体影響
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