ベバシズマブが卵巣がんへの適応拡大

中外製薬株式会社は2013年11月24日、抗VEGFヒト化モノクローナル抗体ベバシズマブ(遺伝子組換え、以下BEV)が、「卵巣癌」に対する効能・効果追加の製造販売承認を取得したと発表した。日本においては、BEVはこれまで治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、悪性神経膠腫に対して保険適応となっていた。しかし2010年12月13日、厚生労働省より卵巣がんへの適応拡大に対する(2010年10月6日の「第5回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の審議結果に基づく)開発要請を受けており、効能・効果追加の承認申請を2012年10月5日付けで行っていた。およそ1年近くをかけ、適応拡大の承認を得たことになる。 今回の保険適応は、初回治療の卵巣がん患者を対象としたGOG-0218試験の結果に基づいている。Ⅲ/Ⅳ期の進行性で、術後の化学療法が行われていない上皮性卵巣がん、腹膜がん、卵管がんを対象とし、米国,カナダ,韓国,日本の336施設において行われた。1,873例(年齢中央値60歳)に対し、標準治療のTC療法を行うTC群、TC療法とBEVを同時併用するTC+BEV群、TC療法とBEVを同時併用後さらにBEVを維持療法として単独投与するTC+BEV→BEV群の3群にランダムに割り付けられ比較された。この試験のポイントは、標準化学療法終了後もBEV単独を継続して投与した場合の有用性を検討した点だ。主要評価項目となるPFSは、TC群10.3か月、TC+BEV群11.2か月と、併用療法まででは有意差が見られなかったが、さらにBEV単独療法を継続した群では14.1か月となった。 一方、BEVには重篤な副作用の指摘がある。GOG-0218試験でも、Grade4以上の好中球減少やGrade2以上の疼痛の他、Gdare2以上の高血圧などがみられている。しかしこれらは適切な薬剤の投与で対処でき、消化管穿孔などのより重篤な服用の発現は稀であったとされている。日本ではすでに先進医療として卵巣がんに対するBEVの投与がおこなわれているが、今後の動向にも注目すべきであろう。 (Medister 2013年11月27日 葛西みゆき) こちら「がん研有明相談室」子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん患者さんへのドクターズアドバイス
こちら「がん研有明相談室」子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん患者さんへのドクターズアドバイス

戦国武将とがん

書評