FDAが改めて勧告、2つの抗癌剤に「肝炎再活性化のリスクあり」

2013年9月25日、FDA(米国食品医薬品局)は、2つの抗癌剤、リツキシマブとオファツムマブに対し、使用上の注意点を公表した。リツキシマブおよびオファツムマブは、モノクローナル抗体からなる抗癌剤(分子標的薬)である。
日本では、リツキシマブはB細胞性非ホジキンリンパ腫が適応であり、リッキサン®として2001年より中外製薬から販売されている。同様にオファツムマブは慢性リンパ性白血病が投与の適応であり、アーゼラ®点滴静注液として2013年5月からグラクソ・スミスクラインより輸入・販売されている。両剤ともB型肝炎ウイルスキャリアの場合は本剤の投与により劇症肝炎発症または肝炎増悪の危険性があるという内容が、すでに両剤の添付文書には記載されている。

しかしFDAは今回、過去に報告された有害事象の症例(リツキシマブ106例、オファツムマブ3例)を改めて検討した。その結果、109例中32例にHBVによる肝炎の再燃をみとめ、さらにそのうちの69%(22/32)にB型肝炎表面抗原(HBsAg)へのセンコロバージョンが認められた。また、リツキシマブまたはオファツムマブによる治療開始前にHBsAg陰性だった22例では、19例に陽転が認められたというのだ。これらの報告を受けて、HBVキャリアのうちB型肝炎中核抗体(HBc抗体)・HBsAg陽性のケースでは、重大な肝機能障害が起こるか、あるいはHBV DNA増加の危険性があると勧告している。両剤の添付文書には前述のような情報が記載されているとしながらも、改めてこの2剤の投与は「免疫系の機能を低下させる」ことを挙げ、「肝不全および死亡リスクのある重大な肝障害が起こる可能性があること」を示している。

FDAはさらに「双方の薬剤を投与する前には必ずHBV感染の有無を明確にすること」「投与中のモニタリングにおいて肝炎の再活性化などを認めた場合は、直ちに薬剤の投与を中止してB型肝炎の治療を行うこと」「他の化学療法を受けている場合には直ちに全ての化学療法を中止すること」などと注意を促している。
(Medister 2013年9月30日 葛西みゆき) がん化学療法副作用対策ハンドブック―副作用の予防・治療から,抗がん剤の減量・休薬の基準
がん化学療法副作用対策ハンドブック―副作用の予防・治療から,抗がん剤の減量・休薬の基準

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