糖尿病と癌の関係

※(左画像)世界糖尿病デーのシンボルマーク「ブルーサークル」 今回は現代人の最大の課題であり、慢性疾患として注意しなければならない糖尿病と癌についての関係性についてご紹介したいと思う。糖尿病といえば今や誰しもが知っている疾患で臨床の現場で診療を行っている医師や歯科医師の先生方では患者の3人に1人は糖尿病だという人も少なくはないのではないだろうか。

簡潔に糖尿病を紹介すると血糖値が高くなる病気といえば済むのだろうか。血糖値が高くなるまでのプロセスとしてはインスリンが分泌されなくなるか、インスリンを分泌するランゲルハンス島B細胞が異常を来すかのどちらかである。最も恐ろしいのは合併症であり、網膜症、腎症、神経障害などが有名であるが心筋梗塞や動脈硬化、脳梗塞も糖尿病から起こりうる可能性があるので注意が必要だ。

ただでさえこんなにも支障を来す糖尿病であるが2006年Arch Intern Med. 2006年166巻1871-1877ページに癌との関連性もあると独立行政法人国立がん研究センター がん予防,検診予防センター予防研究部(以下、がん研)が発表したのであった。がん研では全国10ヶ所の保健所管内に在住していた40歳~69歳の男女10万人のデータを追跡調査し統計を取ったというものだ。

先に結果を話すと、糖尿病既往歴のある人は無い人に比べ男性で1.27倍、女性で1.21倍癌を発症しやすいというものであった。全体では20~30%の割合で後に癌を発症するという結果も出ている。癌といっても様々であるが特に発症しやすいのが男性で肝癌、腎癌、膵癌、結腸癌で女性では胃癌、肝癌、卵巣癌であった。

なぜ糖尿病と癌が関係しているのかはこの論文中では解明されていない。しかし、多糖が腸へ良い影響を与えないのではないかという憶測のもと現在糖尿病と腸癌の関係性について研究がされている。

筆者の考えではやはり生活習慣病である糖尿病を発症している段階で発癌の危険因子が多数体内に含まれている状態であることが一番の毒なのではないだろうか。(Medister.2013年 6月 10日 桐生賢汰)

糖尿病予防と治療のエビデンス (ヴィジュアル 糖尿病臨床のすべて)
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