がん保険に加入する前に読む本

『がん保険に加入する前に読む本』書評

著者:菊地 勉
出版社:セルバ出版
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日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる現在、治療費を考えて「がん保険」に入っておこうと考える人は多いのではないでしょうか。多くの保険会社ががんをサポートする商品を出していますがどれも似たようなものに見えてしまい、どれが自分に最適なのかわからないという人も多いと思います。そこで、本当に大切な基準を示し、実際の会社名や商品名を出しながら比較するのが本書です。

時代で変わる疾病の基準に追いついているか


がん保険を選ぶときに最も注目すべきこととして著者が挙げているのが、疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD: International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)というものです。

聞き慣れない言葉ですが、ICDとは、「異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類」(厚生労働省)です。国際疾病分類とも呼ばれるもので、病気やケガを分類するときの基準となるものです。

ICDは約10年ごとに改訂され、現在はICD-10が分類の基準となっています。ところが、10年以上前に販売された保険商品では、その前のICD-9の分類となっているものがあるというのです。

ICD-9とICD-10の大きな違いは、定義される疾病の範囲が異なることです。つまり、同じ疾病だったとしても、ICD-10が基準のときには保険が支払われるのに、ICD-9では支払われない場合があるのです。

特に、10年以上前に契約していてそのままという保険には注意が必要です。商品によっては、ICD改訂時には自動的に新しいものが基準となることがありますが、ICD-9の基準のままになっている商品もあるとのことです。

ICDは、約款の中でも別表として記載されていることがあり、一般にはなかなか目に付きにくいところにあります。しかし、支払い対象が大きく変わる基準でもあり、また最新のものに対応しているかどうかで保険会社の姿勢をうかがうことができる重要な点でもあります。

チェックポイントで見直しを


著者は序章の最初に「あやふやながん保険」と書いています。その理由のひとつが、がんと確定するための診断基準にばらつきがあることです。

がんと確定するためには、細胞を採取して検査すること(病理組織学的所見があるかどうか)が必要です。ところが一部の保険商品には、その前段階となる超音波検査、CT、MRI、PET検査、血液検査、レントゲン検査、問診所見などでも保険金支払いを認める規約があります。

一見すると後者のほうが有利のように思えますが、実は様々な検査を安易に認めることで保険金支払いにばらつきが出てしまい、やがては契約者間の不公平につながるのではないかと危惧しています。そのため、明確な基準を設けている前者、つまり病理組織学的所見を優先する約款がある保険商品のほうがよいとしています。

第5章では「がん保険を自己診断する」として、いくつかのチェックポイントに従って自己診断できるようになっています。チェックポイントの中には、上記のICD基準やがん確定診断基準もあります。そして第6章には、実際の会社名を出してがん保険ランキングが載っています。どのようなチェックポイントがあるのか、なぜそれが重要になるのか、ぜひ本書で確認してください。

書名は『がん保険に加入する前に読む本』とありますが、加入前はもちろんのこと、加入しているけれども今の保険で本当に大丈夫なのか心配な人が読んでもいいでしょう。著者の私見も含まれていますが、がん保険を選ぶときに参考になる一冊です。

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