財団法人・癌研究会の癌化学療法センターと東京大学医科学研究所などの研究チームは、慢性骨髄性白血病の治療薬「グリベック」(一般名イマチニブ)の効き方を遺伝子で事前に診断する基盤技術を開発した。切除したがん組織から抽出した10-20種の遺伝子で見極める。他の抗がん剤への応用も目指す。
グリベックの効果のある患者とそうでない患者を30人以上選び、病巣からがん細胞だけを切り出して2万種以上の遺伝子を抽出した。少量の検体から確実に見分けられるように各遺伝子を増幅しながら薬の感受性との関係を解析した。
10-20種類の遺伝子が働く発現量と薬効の関連を見つけた。患者の検体でこれらの遺伝子を調べれば、9割以上の確立で予測できるという。
研究チームは特別な装置や労力のいらない薬効の事前判別法を目指す。事前に薬効がわかれば無駄な投薬をなくし、副作用も抑えられ、的確な治療を早期から始められるという。腎臓がんなどの抗がん剤についても同様の手順で判別法が作れる見込み。遺伝子を簡単に抽出する技術なども開発する。
現状では検体からがん細胞を切り出して遺伝子を抽出するのに手間がかかる。抗がん剤の効果予測はさまざまな研究機関で取り組まれているが、今回の技術と併用すればさらに高確率で効き目を判定できる。 |