リンパ球治療の種類と効果
リンパ球を使用した治療には、リンパ球の由来から分類した場合、
1)他人のリンパ球を使用する方法
2)自分のリンパ球を使用する方法 の2種類のものがあります。
1)他人のリンパ球を使用する方法
他人のリンパ球を使用するものには、
1)患者さんと無関係の人のリンパ球を使用する方法、
2)骨髄移植(正確には造血幹細胞移植)のドナーのリンパ球を使用するもの(DLIなどと呼ばれて、健康保険医療になっています)の2種類のものがあります。
患者さんと無関係の人のリンパ球を使用する方法としては、健康な若者の末梢血より調製したリンパ球を使用する方法があります。効果に関しては、一部の患者さんで、がんが消失することも報告されていますが、その頻度は必ずしも高いものではないようです。また、他人のリンパ球を使用することから、ウイルス感染などの問題も指摘されています。1998年に本治療方法行っていた竜岡門クリニックが薬事法違反で刑事事件になったことから本治療方法はあまり行われなくなっているようです。
骨髄移植(正確には造血幹細胞移植)のドナーのリンパ球を使用する方法は、DLI(Donor Leukocyte InfusionあるいはDonor Lymphocyte Infusionの略)と呼ばれ、非常に効果が高い方法です。しかしながら、GVHD(Graft-versus-Host Diseaseの略)と言われる強い副作用を有する問題点を有しています。現在は、白血病の治療でDLIは使用されていますが、固形がんに対する造血幹細胞移植によるがんの治療でもDLIの効果が認められてきています。ミニ移植の進歩もあり、造血幹細胞移植とDLIによるがんの治療は最も有望な治療として世界各国で研究が進んでいます。日本では、都立駒込病院で造血幹細胞移植によりすい臓がんが縮小する効果が認められています。種々の大学病院で造血幹細胞移植とDLIによるがんの治療研究が開始されています。血液がんである白血病の治療は移植が行われている医療機関で治療を受けることが可能ですが、造血幹細胞移植による固形がんの治療は、非常に初期の研究段階であるために残念ながらまだ一般に治療をうけることはできません。
副作用の少ないDLIの研究も重要なことから、リンパ球の薬剤処理やCD4陽性リンパ球を使用することによりGVHDの起こる頻度を低くする研究が行われていますが、未だ研究段階であり、残念ながらながらまだ一般に治療を受けることはできません。
本分野は、最も期待されているがんの治療方法であることから、今後の研究が待たれる所です。
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