| 1.骨髄障害 |
・十全大補湯
・小柴胡湯
・八味地黄丸
・補中益気湯
・人参養栄湯 |
強力な化学療法により、骨髄抑制を来し、免疫低下を起こし感染症を引き起こしやすい。漢方薬は白血球減少の予防作用がある。漢方薬の効果的な使用方法は、化学療法前から服用を開始することである。
G-CSFは好中球を増加させるが、血小板は増加させない。漢方薬は血小板にも有効との報告もある。
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| 2.感染症 |
・十全大補湯
・小柴胡湯
・八味地黄丸
・補中益気湯
・人参養栄湯 |
癌患者は化学療法や放射線照射がなくとも、癌の進行に伴い免疫は低下しており、感染症、真菌症に罹患しやすい。感染症は癌患者の死亡原因の第1位であるが、現代医学では、慢性的な免疫低下に用いられる薬剤はない。MRSAに対する漢方薬の有効性が報告されている。漢方薬は免疫低下状態に対する維持療法と位置付けられる。感染防御の点から漢方は有用である。 |
| 3.食欲不振 |
・十全大補湯
・小柴胡湯
・八味地黄丸
・補中益気湯
・六君子湯
・人参養栄湯 |
様々な理由で癌患者は、食欲不振に陥りやすいが、漢方薬は消化器系の働きを整え、食欲を亢進させるだけでなく、消化吸収を高める |
4.腸管マヒ
イレウス |
・十全大補湯
・小柴胡湯
・八味地黄丸
・補中益気湯
・六君子湯
・人参養栄湯 |
手術、化療、放射線治療により起こる腸管麻痺に対して、西洋薬で漢方薬に匹敵する薬剤はない。
抗癌剤、モルヒネでも腸管麻痺は起こる。こうした麻痺は、プロスタグランジン等が使用されるが、この薬でも効果のなかった症例に大建中湯が有効との報告もある。 |
| 5.下痢,便秘 |
・大黄剤
・半夏瀉心湯
・人参剤
・大建中湯
・半夏瀉心湯 |
手術、化療、放射線に伴う下痢、便秘は非常に多い。漢方薬が有効とされる対象も非常に多い。大建中湯は麻痺性の便秘以外に手術後の短腸症候群(下痢)に有効との報告もある。下痢で困っている症例は多い。骨髄移植後の難治な下痢もある。これらには、黄 ・遠志が配合された漢方が著効を示す。
大黄剤は、大腸における栄養吸収には影響を与えず、大腸のみで排便を促進するので、体力の弱っている担癌患者の便秘に適した薬である。 |
6.皮膚
粘膜症状 |
・黄連解毒湯
・当帰飲子
・十全大補湯 |
放射線、化療の影響による口内炎、皮膚枯燥感、皮膚掻痒症、特に5-FUで口内炎は高頻度に起きる。これらに漢方薬は有効である。 |
| 7.宿主免疫能を賦活する生薬 |
・黄 ,晋耆
・黄耆,紅花
・烏薬,瞿麦
・薬用人参
・山 子
・山茱萸
・胡黄連
・印度蛇木 |
漢方薬として応用されるキノコ類の多糖体には、宿主免疫能を賦活化する活性が認められる。漢方薬こそ、免疫活性多糖の宝庫とも言うべきで、茯苓・猪苓・当帰・紫根・艾葉・薬用人参などの多糖に免疫賦活活性が見い出されている。これらの生薬は、体質と症候に合わせ1〜6の項目の漢方薬と適宜組み合わせて応用する。その場合には「煎じ薬」で処方される |